建物の区分所有における管理

 建物の区分所有における管理関係ですが、ひとロに管理関係といいましても、これまたきわめて範囲が広いわけでして、ここでは、とても十分述べることはできないかもしれませんが、ごく主要な問題点をいくつかかいつまんで申し上げてみたいと思います。
 ご存じのように、建物の区分所有の場合にはまさに管理が決め手になるわけでして、昔からヨーロッパの法諺で、区分所有というのはうまくいけば天国だけれども、一歩まかり間違えば、地獄の住家になるというような意味のものがあるそうですが、そのような法諺があることからもわかるように、建物の区分所有における管理はなかなか難しい問題であるということができます。
 なぜかといいますと、居住者の住宅が単なる借家ならばそこに執着心を持ってはいるが、持家に対する執着心ほど強くないから、住みにくいのでいやになったということでそこから出て別のところに引越しすることが心理的にもわりあい容易にできますが、持家ということになると、それが一つの屋根の下で所有を分けあうマンションであっても、そこに借家の場合とは違った強い執着心を持ちますから、住みにくいのでいやになったということだけでそう簡単に動けない、しかし、上下左右といさかいばかりやっているというのでは、四六時中とても気の休まるときがないということになってしまうからです。
 したがって、地獄の住家にならないように管理するにはどのように管理したらよいか、あるいはどのように管理すべきかということが、建物の区分所有における管理の最大の眼目です。
 その管理について、建物区分所有法はいろいろ規定を設けているのですけれども、それを大きく分けると、一般的管理制度と特別的管理制度の二つになると思います。

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 建物区分所有法は、一般的管理制度として第八条から第一五条まで八ヵ条の条文で共用部分の共有ということを定めていますが、共有ということは共同管理ということです。もう一つは建物区分所有限の第五条第一項で、「区分所有者は共同の利益に反する行為をしてはならない。」ということを定めていますが、これは管理の一般原則を定めているというようにもみることができます。しかし、第五条の第一項は、単なる管理の原則を規定するものであるとはいえないと思います。というのは、同条項は建物の区分所有における所有権のあり方そのものを規定しているともいえるからです。
 しかし、それと同時に管理の原則的あり方を定めているともいえるわけでして、これを一般的管理制度の中に含めて扱ってもよいと思うのです。
 同条項では「共同の利益に反する行為をしてはならない。」と定めていますが、これは例えば、隣のうちの迷惑になるような動物を飼ってはいけないとか、あるいはまた住居専用の分譲マンションの場合、自分の住戸つまり専有部分内に自分の所有物だからどう利用するかは所有者の自由だということで、二四時間営業の深夜喫茶を開くことは許されないとかいうようなことですが、これに該当する事例はまだその他いろいろあろうかと思います。
 しかし、それにしても第五条第一項の「共同の利益に反する行為」という言葉はきわめて抽象的で、具体的にどのような行為あるいは場合がこれに該当するかということについて紛争が生ずることも間々あると思われますので、規約で「共同の利益に反する行為」を具体的に例示的に列挙しておくこともそれなりに意味があるといえましょう。石神井公園団地のベランダあるいバルコニーの温室改造事件のように、ベランダあるいは、バルコニーの改造が「共同の利益に反する行為」であるということで建築協定中に禁止する旨が定められていても、それに違反する行為をする者がいて紛争が起こることがあるのですから、規約で定めればそれですべて事が解決するというものではありませんが、しかし、規約に具体的に掲げておけばある程度紛争を予防する効果はあるということができるわけです。

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