土地境界をめぐる紛争

一定の線で囲まれた土地の所有権の帰属をめぐる争いにおいても、その隣接地と接する部分については、境界がどこかが問題となります。この場合には、土地所有権確認の訴えとして、その所有権の限界が問題となりうるにすぎず、特別の訴訟類型としては考えられません。この点については争いがなく、問題となるのは、一定の線で囲まれた土地の所有権の帰属ではなく、もっぱら隣接地との境界線がどこかが争われる場合です。この種の訴訟を判例学説での明文はありませんが境界確定の訴えと称し、特殊な訴訟類型と考えられます。この訴訟は登記簿上の地積と実測面積との不合致ということから、隣接地所有者間に争いが起こることによる場合が多く、その態様としては、地上建物撤去、建築禁止、立木伐採禁止、伐木搬出禁止、取戻などの請求とともに争われることが多くなっています。土地の境界という場合、所有権の対象たる土地の境界と、不動産登記法七九条、同法施行令一条、二条により区画された土地の境界とを考えることができます。この両者のいずれを重視するかが、既判力の対象、当事者処分権主義などとの関連で争われています。

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境界確定の訴えの性質をどう解するかにつき、形成訴訟説、形式的形成訴訟説、確認訴訟説、複合訴訟説が対立しています。
形成訴訟説は慣習法上の形成権を前提とする形成訴訟と解されますが、そのような形成権を認めうるのかきわめて疑問であり、今日ではとる者はいません。
形式的形成訴訟説は境界確定の訴えは公法上の境界の確定を目的とするものであって、所有権の帰属、範囲の確定を目的とするものではありません。境界の確定については、その基準となる実体規定がなく、そのため、事実を認定してそれに法を適用するという法的判断がなされず、裁判所は原告の主張に拘束されず、裁量的に境界線を定めなければならず、したがって請求棄却もなしえないので、実質的に非訟事件ですが、訴訟の形式で審理されるので、形式的形成訴訟であるというこれが通説とされますが、その本質を非訟事件としつつ手続は訴訟手続によるとする根拠がありません。非訟事件とすることと土地所有権範囲の確定ではないとすることとが直結しないなどの批判がなされています。
確認訴訟説では境界確定の訴えを確認訴訟とみる考え方ですが、確認の対象を何とみるかについては、所有権範囲確認説、境界権確認説、土地所有権の客観的限界確認説、係争土地に対する所有権の帰属確認説、公法上の境界線確認説などがあります。所有権の側面を重視する理論として、近時勢力を増してきています。
複合訴訟説では境界確定の訴えを、訴訟と非訟のグレンツに存在する特殊な訴訟形態であるとして、その内容は、境界線の非訟的確定を先決関係とし、これに相隣者の所有権の範囲の確定の請求が、順位的に併合された、複合訴訟としています。
境界確定の訴えは公法上の境界線の確定を目的とし、所有権範囲の確定を目的としないとするのが通説です。通説は、当事者の主張によれば、公法上の境界線と所有権範囲とが一致することを前提としつつ境界はもともと地番と地番との境界であり、これは課税上の単位でもあり、その境界が市町村の境界ともなりうる公法上の単位であって、私人は分筆、合筆の自由はあるが一筆一筆の土地の範囲を勝手にきめる自由は有しないとしています。これに対しては、公の境界を私人間だけで争う裁判の形で取極めること自体がおかしく、所有権範囲を確定することなく境界線だけを確定することにいかなる意味があるか、別訴で所有権の主張ができるといってもおよそナンセンスであり、また別訴を必要とすることになれば紛争の終局的解決に必ずしも役立つとはかぎりません。公法上の境界線は事実であり、私人はこれにつき、利害関係を有しないはずなどの批判がなされます。この論者は、原告の意図するところは所有権範囲の確定であって、判決はこれを確定するとしています。なお、境界確定の訴えを所有権範囲の確認とみる論者も、手続上のある程度の特殊性を認めるのであって、結局、前述の、訴えの性質、確定の対象をどのように解するかの相違は、処分権主義、弁論主義の妥当の一部について生じるにすぎないことになります。

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宅地建物取引主任者/ 土地家屋調査士/ 司法書士/ 不動産鑑定士/ 賃借地上の建物の種類と構造変更/ 土地境界をめぐる紛争/ 土地に対する強制執行/ 土地の明渡しの強制執行/

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