抵当土地の土地収用

土地収用は、公共の利益となる一定の事業の用に供するため、法律の定める手続に則り、正当な補償のもとに土地を収用しまたは使用するのですが、土地取用裁決の効果の中心をなすものは、収用地についての権利の変動です。つまり起業者は、裁決において定められた権利取得の時期において、当該土地の所有権を取得しますが、この場合、当該土地につき抵当権のような所有権以外の権利があるときは、それらの権利は消滅し、起業者は、これらの権利の附着しない土地所有権を取得します。

スポンサーリンク
間取り

取用土地についての権利の変動は、起業者による補償の履行を条件としているところで、損失の補償は、土地所有者および関係人に対し客人毎になされるのが原則ですが抵当権のような目的物の交換価値を把握している権利にあっては、土地所有者と抵当権者に対し別々に補償するよりも、まず抵当権の設定されていない所有権の価格を算定し、抵当権者にはその中から補償を受けさせる方法によることが適切です。そこで法律もこれを認め、抵当権の目的物が取用されたときは、抵当権は、目的物の取用によって債務者が受けるべき補償金に対して行なうことができるとしています。もっとも、損失の補償は、例外としての金銭以外の方法によることができ、替地の提供による場合には、取用地についての抵当権は、替地に対して行なわれます。
抵当権の目的物が滅失または毀損した場合に、それを契機に抵当権設定者が何らかの価値代位物を取得したときには、もとの目的物との経済的関連を認めて、それに抵当権の効力を及ぼすことが、その価値権たる性質に照らして合理的です。これを抵当権の物上代位性といいます。ここでいう目的物の滅失、毀損は、物理的な意義のみにとどまらず、法律上のものを包含します。前述のように、土地収用の結果抵当権が消滅したものとされる場合は、法律上の目的物の滅失であるために、目的土地の補償代位物である収用補償金や替地には、抵当権の物上代位性が及ぶこととなります。そして、土地収用法は、抵当権についての物上代位一般に関する民法の現定とは別に、土地収用の場合の物上代位を明らかにする特別の規定を設けたのです。
土地取用法は、取用の補償金や収用地の替地に対し抵当権を行なうには、その払渡又は引渡前に差押をしなければならない。と規定していますがこれは、物上代位権の行使について、民法三○四条が、目的物の価値代位物の差押を必要としているのと同じです。この差押について、多くの学説では、差押が要求されるのは、代仕物の特定性を維持するために過ぎないといい、この見解によれば、代位物の待定がなされるかぎり、この差押は、抵当権者に限らず、誰がしてもよいことになります。しかし、判例では、差押が必要な理由をむしろ優先権の保全にあるとし、物上代位権を行使する抵当権者が自ら差し押えなければならないとし学者の批判を受けていました。
土地の区画整理が行なわれる主な場合としては、土地改良法に基づくものと、土地区画整理法に基づくものとがあります。これら区画整理事業のために行なわれる換地処分にあっては、いずれも、その効果として、換地が従前の土地とみなされることになるために従前の土地上に設定された抵当権は、原則として、区画整理後の土地上に存続することとなります。これは、もっぱら換地処分の性質、効果によるのであって、抵当権の物上代位性によるのではありません。
換地計画においては、換地は、用途、地積、土性、水利等の条件が従前の土地に照応していることが必要ですが、これらの条件を勘案して、なお相殺することがでぎない部分がある場合には、金銭による清算をすべきものとされ、また、従前の土地所有者の申出または同意により換地が定められない場合にも、金銭清算がなされます。各清算金のほか、土地改良事業に伴う損失金の支給がなされ、土地区画整理事業にあっても、滅価補償金が認められています。これらの場合、従前の土地の抵当権者は、抵当権の物上代位性に基づき、清算金や補償金の上に権利を行使することができ、そのため、これら事業の施行者は、その清算金または補償金を供託しなければなりません。問題となるのは、抵当権を行使するにあたり、民法や土地取用法が定めるように、供託された清算金や補償金の還付請求権を差し押えることが必要であるか否かです。判例では、土地改良法一二三条の前身である耕地整理法二五条によって供託された補償金について、抵当権者の差押が必要であるとしています。しかし、学説にあっては、供託があれば抵当権の目的となるこれらの請求権は待定し、差押がなくても第三者に不測の損害を及ぽすこともないという理由で、差押を必要としないという見解が有力です。

間取り
不動産担保/ 不動産登記簿の調査/ 共有持分の担保/ 借地上の建物を担保/ 建設中の建物を担保/ 処分禁止の仮処分のある不動産/ 担保の登記の流用/ 担保設定と詐害行為取消権/ 租税債権と担保債権の優先関係/ 抵当建物に対する強制執行/ 建物抵当権と建物の従物/ 抵当土地の土地収用/ 抵当建物と火災保険請求権/ 更地抵当権と無断建築/ 抵当建物の賃貸/ 抵当不動産の買主の措置/ 第三取得者の消滅時効援用権/ 物上保証と抵当物の第三者取得/ 土地の抵当権と建物/ 抵当権設定後の再建築/ 建物抵当権設定者の敷地取得/

       copyrght(c).間取りガイドドットコム.all rights reserved

スポンサーリンク

プライバシーポリシー