都市化と施設系

都市の生活環境は人々の分化し、高度化した諸生活要求を充足するための様々な対価を供給する施設系およびそれらの施設系を運用、管理する諸機関の体糸からなっているとみることができます。このような機関糸および施設系の機能が人々の要求の体系と十分にバランスのとれた需給関係を実現するとき、都市の人間一環境系は安定し、かつ高能率の機能を果たします。両者のアンバランスは、都市生活の安定と効率を阻害する多くのマイナス要因を生み出します。前都市的な生活環境では、生産、消費、教育、娯楽、政治、宗教などの生活要求の大部分は私的な活動によるかまたは地縁、血縁的な共同生活のなかでいわば自給自足的体制によってプライベートに充足されてきました。それが可能であるほど、要求自体の水準が高くなかったからです。しかし、大都市では、住宅、交通、通信、環境衛生など個人的には解決不可能な問題が発生します。また生産、教育、学習、宗教、娯楽、レクリェーションに関する高度化しつつある諸要求は、専門的な機関と施設に対する需要をつねに増大させつつあります。大衆社会化した大都市の不安定な体系を統合するための立法機能や司法、警察機能および保安機能あるいは財やサービスを投資する行政的機能は、公共的機関にこれを求めなくてはなりません。このようにして、大都市は、人々に居住のための住宅や生産のための職場を提供し、子女の教育や娯楽、宗教などの欲求を充足する機会を提供し、住宅や交通、通信等の施設的便宜を提供しています。

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間取り

これらの財やサービスの提供が企業として成立し利潤を生むかぎりにおいて民間の資本がその提供者となりえますが、増大する需要と購買力のアンバランスが進行するにつれて公共的な財、サヘビス投資の必要が増大します。また、自由競争による利潤の追求活動を原別とする私企業の営利的行為を調整するための公共機関による立法、司法、行政的な調整機能が必要となってきます。都市のこのような機関、施設環境系の発展は都市住民の高度化する需要に対応するものであり、農村から流入する人口にとっては都市の吸引力として働いているのです。ここで人々の各種生活要求、生活領域に対応する施設の型を大分類すれば、以下のようになります。そして、それらは各々、人々の生活の分化、高度化に応じて多くの下位施設系を次第に分化、派生させつつあります。
居住関連施設
福祉厚生施設
交通施設
保健・衛生施設
生産施設
保安施設
消費施設
司法施設
教育施設
行政施設
文化施設
立法施設
娯楽・レクリエーション施設
以上のような施設系は、現実に都市住民の需要に対してその対価を十分に供給する機能を果たしているかでは、量的な面でも実質的な機能の面でもそこには需要と供給の間の大きなアンバランスがあり、多くの都市問題はここにその源泉があると考えられます。
日本の都市は、遅れた産業革命のスタート、木造文化、急速な産業化、近代的都市化に伴う人口の急激な集中などの条件によって、古い陳腐化した社会的諸施設のなかに高度化した生活需要を充たそうとしているため、いわゆる社会資本の遅れからくる様々なマイナス要因を生み出しています。住宅難、交通混雑、車の渋滞、交通事故の事故、下水道の不足による衛生環境の悪化、港湾・空港の過密、社会福祉施設の不足による社会問題の発生、学級や学校の過密、公園の不足によるレクリエーション難等々は、都市生活の効率や快適さを阻害し、都市の吸引力をマイナスに転化させる要因となっています。

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