地域性と居住環境

都市計画法においては、都市計画は農林漁業との健全な調和を図りつつ、健康で分化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこと並びにこのためには適正な制限のもとに土地の合理的な利用が図られるべきことを基本理念として定めるものとするとあります。都市計画には住居その他の地域および地区を定め、住居地域は主として住居の環境を保護するためとし、住居専用地区は住居地域内において特に良好な住居の環境を保護するため定める地区としています。また、都市計画基準として都市計画は当設都市の住民が健康で文化的な都市生活を享受することができるように、住宅の建設及び居住環境の整備に関する計画を含めなければなりません。以上が都市計画法の示す居住環境に関する理念ですが、これは憲法25条の全て国民は健康で文化的な最低限度の主活を営む権利を有するの文言をそのまま用いているところです。しかし、この健康で文化的な最低限の生活の具体的内容について憲法は記していません。この表現は抽象的ですが、単なるお題目となってしまってはなりません。

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間取り

居住環境とは居住に適する環境の意味であって、都市計画の用途地裁制のうち、住居専用地区および住居地域において確保されなければならないものです。居住環境は、法文上では住居地域および住居専用地区内での禁止建築物または許可建築物の規定によって保護されていると一般には期待されていますが、実際には多くの問題が含まれています。ただし、以下の除外例は、地方自治体の建築審査会の同意を得て特定行政庁が許可することになっていますが、この許可の尺度が実際には非常にあいまいになっています。具体的内容については、地方自治体の建築審査会の審査基準が明瞭でないのが一般です。こういう条文は、審査会委員の解釈によってどのようにでも取れるのです。住居の安寧を害する。住居の環境を害するという言葉のもつ具体的な内容を明瞭にしなければ、この言葉はいくらでも住民に不利に解釈できます。また、公益上やむを得ないという言葉の内容も解釈の幅が広いので、真に居住環境の重要性と他の居住環境を妨害する条件との比較に関する判断によらなければならないはずです。
公害対策基本法では、国民の健康を保護するとともに、生活環境を保全することを目的とするといっており、近年まで居住環境つまり生活環境を脅かしてきた生活妨害要素に対して強く健康保護を打ち出している点が特徴です。したがって、住居の安寧および住居環境を害するか否かの判断は公害対策基本法に照らして再検討しなければならない時期に面しているといってもよく、銘記すべき重要な点です。
ようするに、健康で文化的な生活が国民のために維持されなければならないとする憲法の条項は、具体的にどの要素について、どの尺度を用いて、どの程度に守られなければならないかを社会的、技術的、経済的に決定するという重要な問題が,実は明瞭に示されていないということです。この点を明らかにすることが、健康な居住環境の居住条件に課せられた使命です。しかも国民生活は決して最低限度で止まってよいものではなく、さらに国民の不断の努力によらなければなりませんが、居住条件のような基本的なものは生活権として国がたえず最低限度を確保しながら向上させるよう育成しなければならないものです。

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