人工環境の計画上の必要条件

居住環境として国民のために期待されている住宅のなかで、鉄筋コンクリートアパートは最も身近な人工環境といえます。日本の住宅建設戸数のうち鉄筋コンクリートアパートの割合は10%程度でしょうが、今後この数は急速に増加されていくはずです。いわゆる国民住宅として公営住宅が多量に供給されるべきことの理由とその住宅において考慮されねばならない居住条件につきいていうと、新鮮外気による換気不十分に対する配慮。アルミニウムなどの金属サッシにより、気密度は高くなってきました。したがって、積極的に外気との間の換気口を設けないと換気がきわめてわるくなるおそれがあります。そこで、換気のために居室に設ける窓その他の開口部は、その換気に有効な部分の面積をその居室の床曲積の1/16以上かつ0.3平方メートル以上としなければならないとしています。最小限35平方センチメートルの開口部は、窓サッシに取りつけられることが望ましく、その目的に合ったサッシを大量につくるべきです。ガスストーブ、石油ストーブを用いる場合、必ず排気筒つきのストーブを用いなければなりません。排気筒のないストーブを用いると、排出ガスのほとんどが居住室内へ放出されて、換気が少ない場合は炭酸ガスおよび一酸化炭素が室内に蓄積されていきます。換気不良の場合は、酸素不足による不完全燃焼によりさらに一酸化炭素が発生しやすくなります。ガスストーブによる中毒死は毎年数多くあります。ストーブの公称発熱量を出しても、外部から低温の新鮮な空気を導入するので、それを室温にまで上昇させるための熱量はかなり奪われ、室内暖房用の有効発熱量は約4割から5割ぐらいに低下するものと考えなければなりません。そこで開口部および換気設備の設置を義務づけています。

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間取り

厨房の排ガスに対する処置として外気に面した壁がある場合には、上方をフードで囲い換気扇により直接外部へ排出するのがよい。平面上、排ガスを直接外部へ排出できないときは、共通排気筒へ排出する場合があります。そのとき、換気扇で強制的に圧入する場合は他の住戸の厨房へ吹き出すことがあり、またその共通排気筒へ便所の排気が導入されている場合は便所の臭気が厨房へ流れ込むことが心配されます。また、共通排気筒へ排出するための各戸の押込用換気扇でなく、屋上頂部にファンを設けたときは、そのファンが止まっている場合、各戸からの排気が他住戸へ流れ込むおそれがあります。管理上、ファンは止める時間をできるだけ短くしなければなりません。便所の臭気とガス排気は、共通の排気筒に入れない方が安全です。
パイプシャフトをガス排気筒として使用することは避けた方がよい。鉄管の上に結露して錆びるおそれがあります。
厨房の炊事用水蒸気は、フードおよび換気扇などによりできるだけ外部へ排出すること。これが完全でない場合は、冬期に北側壁や押入壁上に結露するおそれがあります。水蒸気発生を防いでも結露がある場合は防露被覆を施します。夏期には最上階の天井スラブからの目射侵入は多いため、必ず天井を張る必要があります。天井懐ろには外気を導入できる換気孔があることが望ましい。西側の外壁の日射遮蔽も、ルーバーなどにより行なうことが望まれます。
青空や庭などが十分眺められずアパートの壁などしか目にはいらない場合は、主婦や子供に対する心理的圧迫悪が加わることが心配されます。その場合は、窓外に花を置いたり戸外の生活時間をなるべく長くしたりするようにしましょう。
採光も人工照明も、ともに過度に明るすぎる場合は、清潔保持上は非常によいことであっても、おちついた雰囲気が得られないので、照明器具を種々工夫して室内を任意に暗くできるようにすることも必要です。欧米では日本のように住宅内に蛍光灯を多く用いません。蛍光灯などによる光源の輝きが高すぎるのは目を疲れさせるからです。
団地も一種の人工環境です。そこに住む子供は、現格型の性質をもつとか、カギっ子の特色をもつとか、たえず他の家族の生活や持物に気をとられて自主性が少ない傾向にあるなど、様々な問題点が指摘されています。自分の庭をもたないこと、植物、昆虫を知らないこと、動物などを飼うことができないこと、などによって子供が情緒に欠ける点が心配されます。狭い2DKの空間、過密家族の生活、勉強部屋の不足、就寝分離の不可能、食寝分離の不可能などの心理に与える影響が心配される面もあります。以上、種々の団地生活のマイナス面が考えられますが、積極的にこれらを完服してコミュニティの生活に入ってゆく努力を親子ともにすることにより解決するのが賢明です。

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