必需品と住宅サービス

必需品を需要の価格弾力性によって定義するのは、一つには程度の間題であり、二つに他の経済的、社会的事情に依存するので、そのような定義は有効でないされていましたが、必需品を価値欲求との関連性の強弱で定義しようとすることもまた、相対主義に陥っていると考えられます。統合における有効性、または価値欲求との関連が強いか弱いかや、市場にまかせたのでは必需品が不十分にしか、あるいは過度に不均等にしか供給されないとすれば、その場合には公的介入が要請されるというのも程度の問題であるとともに、経済的、社会的事情に依存し、トートロジーの感を免れ得ません。それは市場機構にまかせたのでは不十分にしか供給されないからこそ、その財は必需品になるともいえるからです。しかし、むしろ経済的、社会的、あるいは歴史的事情に依存せず、絶対的必需品とかその保証されるべき水準といったものは存在せず、それらの十分な供給もあり得ないと考えられます。言い換えれば、統合における共同側面自体が、歴史的、経済的、社会的諸条件によって規定され、変化すると思われるからです。

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間取り

我々が生活してゆくうえで、何が必需品であり何が基礎的な財であるかに関しては、我々が置かれた歴史的、経済的、社会的条件によって規定されながら、多くの人々の間でかなりの程度の合意が成立していることは認められる事実です。そのような財は密接な代替財がなく、ある一定の需要量の範囲内では需要の価格弾力性は、程度の問題であるとはいうものの、比較的小さい財であると考えられます。しかし、基礎的な財であったとしても、それを公的に安く供給すべきかどうかは、現実には、その財をある一定水準消費するための費用と、人々の所得水準との相対的関係によって決定されているように思われます。例えば靴や下着、資力の弱い入にとっての眼鏡などは必需品ではありますが、これらの財サービスを消費するための費用は低所得者層にとっても彼らの所得に対して大きな割合を占めるものではありません。また、ある財が生活するうえで基礎的であるとか、必需的であるとかに関して、多くの人々が合意するのは、ある一定の消費水準までであって、シビルミニマムを主張する人々もそのことを全く無視して、水は必需的であるとか、住宅は必需的であるとか、一般的に主張しているわけではありません。
このように考えると、低所得者層に対して住宅が公的に供給されるのは、第一に、一定水準の住宅サービスは誰にとっても基礎的であるという合意が多くの人々の間で成立しており、第二に、多くの人々が考える最低水準の住宅サービスを低所得者が消費しようとすれば、その費用は彼らの所得の相当部分を占め、その結果、他の材サービスの消費水準が著しく低下することを多くの人々が認識しているからです。

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