宅地供給と民間ディベロッパー

新規宅地の供給は、従来その大部分を民間部門に依存してきましたが、近年の三大都市圏の住宅地の供給は、公的開発によるものが頭打ち傾向を示しています。特に昭和44年に土地税制が改正されて、宅地供給増加の攻策効果が期待されたにもかかわらず、宅地開発は全体としてみれば昭和45年をピークにして以降停滞傾向にある事実が注目されます。44年以降、土地譲渡面積は増加しましたが、そのことは少しも宅地供給の増加にはつながらず、むしろ、45年をピークにして宅地の供給は停滞していました。

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開発指導要綱の対象になるような民間の宅地開発はますます減少するはずです。したがって、公的な宅地開発が増加しないかぎり、宅地難は一層深刻化すると予想されます。このような事態が生じたのは、土地の持主が代ることと宅地の供給が増加することとは全く別の問題であること、及び宅地を供給する主体は公的部門にあることを政策当局が認識し得なかったためです。公的な宅地開発と区画整理の一部を除けば、従来は宅地開発は民間の業者から許可の申請が地方自治体に提出され、自治体は宅地開発要綱を設定し、宅地開発に関する一定の条件を民間の業者に守らせることによって、環境を維持し、かつ、地方財政の負担を軽滅しようとしてきました。しかし、宅地は公共投資があってはじめてその本来の機能を発揮するものであり、開発指導要綱を守らせることによって公共財や準公共財の供給を民間部門に委ねるならば、効率性の基準からみてその供給は過少にならざるを得ません。したがって、各地域の宅地開発を長期的展望に立って計画し、実施してゆく主体は地方自治体でなければなりません。そして、ある一定規模以上の地域をある一定の環境基準に従って宅地として開発することが決定されたならば、その開発の一部または全部を民間ディベロッパーに競争入札させて請負わせれば、延納利子付100%土地譲渡所得税制度のもとでは、開発利益はすべて地方自治体に吸収されます。現在の自治体はむしろ人口抑制政策を採用しており、大規模な宅地開発を自らがイニシアティブをとって実施してゆくインセンティブはないかもしれません。しかし、宅地開発のための合理的な財攻制度が碓立され、民間の業者から許可の申請がなされる一定規模以上の宅地開発を、そのときどきの事情に応じて許可したり、もっぱら現状維持政策を採用するよりも、自治体自らが主体となって計画的に一定規模以上の宅地を供給してゆく方が、長期的にみてその自治体の生活環境をより良好に維持してゆくことができるということが理解されれば、今後は各自治体が大規模な宅地関発に乗り出すインセンティブはあると思われます。

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