公共サービスと排除の原則

外部不経済をもたらす経済活動に対して、税金を課すという、ピグー的政策は、もともと効率的な資源配分の達成を目的とするものであり、その税金の処分方法は、単に所得分配を変化させるだけで、資源配分の限界条件に影響を及ぼさないものでなくてはなりません。しかし現実には、そのような処分方法は見出し難く、自動車交通に関していえば、自動車関連の税金や高速道路料金の一部は道路の維持費用に、分配の公正という観点からは外部不経済を被る主体に分配されるか、外部不経済を一層滅らすような施設を建設するための資金として用いられるかすべきです。しかし、社会的限界費用が逓増的であるかぎり、税金を処分しても余剰が発生することになります。しかし、この余剰をどのように処分するかは、単に交通だけではなく、財政全体の配分の観点からなされるべきです。自動車利用者が社会的限界費用を負担し、高速道路を利用する場合には、事業損失補償を利用料金の中から支払うような制度が確立されるならば、自動車保有台数は激減することになります。それは、現在の道路が、自動車交通が限界的に増加するとき、極めて大きな外部不経済としたがって多額の社会的限界費用を発生せざるを得ないようにつくられているからです。しかし、外部不経済が大きくならないような自動車道路をつくるための費用は、日本では、特に三大都市圏ではきわめて多額なものになります。それは、日本では土地の稀少性が欧米先進国に比べて著しく高いからです。したがって、自動車に社会的限界費用を負担させれぱ、都市交通に関しては公共的な大量輸送手段が現在よりもはるかに大きな役割を担なわなければならなくなるはずです。

スポンサード リンク
間取り

ある地域でどれだけの公共交通サービスを提供すべきかは、公共交通サービスにおける混雑度と新たな公共交通投資の効率性を考慮して決定されるべきです。公共交通サービスについて述べたように、排除の原則が通用できる交通サービスについて、もっぱら分配面だけを考慮して、効率性を無視した料金を設定するならば、人々は水を節約しようともせず、公営の地下鉄やバスの混雑は一向に解消せず、都市経営は悪循環に陥ります。都市的公共サービスはほとんどすべて基礎的サービスであるからといって、それらを供給するための費用を無視して、地下鉄料金も水道料金もおよそ公共料金に分類されるものは、安ければ安いほど望ましいと考え、需要量にかかわらずなんでも安く供給しようとするならば、資源配分上の無駄が生じ地方財政は遅かれ早かれ破綻することになります。
三大都市圏の生産所得は他の地域に比べて隔絶して高い。しかし、他方で、三大都市圏に新たに社会共通資本を投資するとしたら、どれだけの費用がかかり、公共サービスを供給するための費用がどれだけ高くつくかを、排除の原則が適用できない公共サービスについては費用との関係で妥当な税金を課すことによって、また、排除の原則が適用できる公共サービスについては分配面を考慮しつつも、原則的には社会的限界費用にできるだけ近ずき料金を徴収することによって、明らかにすべきです。そのように課税制度と公共サービスの料金体系を改めないかぎり、人々と企業に対して、生産所得が他の地域に比べて隔絶して高い三大都市圏から地方へ分散する強いインセンティブを与えることはできません。

間取り
住宅と外部効果/ 価値財としての住宅/ 必需品と住宅サービス/ 平等主義と住宅の公的供給/ 公的住宅の生産と住宅の公的供給/ 持家取得に対する補助の意義/ 借地・借家法の強化/ 公共住宅/ 家賃の負担と公共賃貸住宅の分配/ 宅地開発の問題点/ 宅地開発指導要綱の問題点/ 新規参入者負担論/ 宅地開発と地方自治/ 宅地供給と民間ディベロッパー/ 土地と税制/ 個人住宅用地と地価上昇/ 農地の宅地並み課税/ 公共サービスの受益者負担/ 公共サービスと排除の原則/ 宅地開発負担金と地方債/

       copyrght(c).間取りガイドドットコム.all rights reserved

スポンサード リンク

プライバシーポリシー