工事契約の種類

企業者と建設業者の間の工事契約は請負方式と委任方式に大別できますが、これには様々な形態があります。
競争契約と随意契約は工事発注形式による分類で、前者は競争入札により建設業者を選択して契約を締結するもので、後者はこのような競争の方法によらないで、任意に適当と認める建設業者を選択して契約を締結するものです。
一式請負契約と分割請負契約は工事請負の範囲による分類で、前者は工事の全部を一括して請負わせる契約であり、後者は工種によりそれぞれの専門の者に工事を請負わせる契約です。
定額請負契約と単価請負契約は請負金額決定の方法による分類で、前者は工事費の総額で工事を請負わせる契約であり、後者は各職種別部分工事をさらに細かい項目に分けた内訳明細と単価を明示し、この単価を基礎として工事を請負わせる契約です。定額請負は総額で請負うために契約金額は不変ですが、単価契約は工事単価を基礎として請負うのであり、数量は概算であるため契約金額は可変的です。したがって、単価請負の場合は契約金額は最低入札者を決定する基準となるにすぎず、あくまでも単価が契約の基礎となります。
元請負契約と下請負契約は契約当事者による分類で、発注者と建設業者との請負契約は元請負契約であり、元請業者と他の建設業者との請負契約が下請負契約です。
単独請負契約とジョイントベンチャーは工事受注形式による分類で、前者は一建設業者が単独で工事を請負うことをいい、後者は二以上の建設業者が共同連帯して工事を請負うことをいいます。ジョイントベンチャーは欧米で盛んに行なわれており、日本には昭和25年導入されましたが、37年秋建設省が中小企業育成策の一つとして公共工事につき、中小業者のジョイントベンチャーを正式に認めてから急速に発展するに到りました。
実費報酬加算契約は発注者が工事実費に建設業者の役務、機械設備および技術知識に対する報酬を加算した金額を支払う契約で、その性質は委任契約です。請負と委任との主な相違は危険負担の有無と報酬支払いの計算方法であり、委任の場合は発注者が危険を負担し、工事の実費を支払うため、不可知要素が特に多い大規模のダム工事や危険性の大きい海外工事などに利用されます。

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間取り

建設業者はまず仕事完成義務を有します。しかし請負は労務の提供自体を目的とするものではないため、特約があるか、仕事の性質上建設業者自身でしなければ契約の本旨に従った履行とならないという場合のほかは、補助者を使用し、または下請負をさせてもかまいません。ただし、建設業法22条では原則として一括下請負を禁止しており、実際の契約約款でもこの趣旨の規定を設けるのが通例です。なお、補助者や下請業者を使用した場合はこれらの者の責に帰すべき事由については、すべて建設業者自身が責任を負わなければなりません。
重要な瑕疵で、契約の目的を達しえない場合は契約を解除できますが、建物その他土地の工作物の請負については解除は許されません。したがって、工事の請負については瑕疵修補と損害賠償の問題となります。
発注者は仕事の結果に対して契約金額支払いの義務がありますが、民法では後払いを原則としています。しかし、今日では月または工事中何回という定めの出来高払いが通例であり、大工事については前払いの特約があることが多くなっています。
請負契約は仕事の完成によって終了しますが、民法は特別の終了原因として次の三つの場合を定めています。
仕事の完成しない間は発注者はなん時でも損害を賠償して契約を解除できる。発注者の破産。重大な瑕疵による解除。

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