建物プレハブ化

施工の機械化、仮設材料の鋼製化等施工手段の高度化は、建設業全般に及んでいますが、特に顕著なのは土木、運搬工程においてであり、建築では技術の進歩は主として建設材料工業の発達による工業製品、部材の利用増加という形で進められています。いわゆるプレハブ化がそれにあたります。現場以前の加工を高度化し、現場作業を滅少させるという動きは、必ずしも最近におこったものでなく、かなり古くからみられます。しかし最近におけるプレハブ化の傾向は特に顕著で、建設材料工業の発達を背景に急連に進展しています。従来から使用されていた合板、鉄鋼、セメント等の工業製品材料の使用が増加しただけでなく、アルミ、プラスチック等の新材料が加わり品種が豊富になりました。そして、工業材料の改良により性能が向上し、加工度が高まって半製品化していき、さらに進んで組立工程の一部を組み込んだ部分構造物の形をとるものも現われています。そしてこのような工業材料の使用は、現場生産の一部を工場生産に替えることを意味し、建築での技術の進歩は労働対象である建設材料の標準化し量産化されうる部分を作業現場から奪い、工場で量産化することを通じて、現場生産に変化をもたらすという形をとって進められています。

スポンサード リンク
間取り

工業材料の使用の増加は、現場施工の方法を湿式工法から乾式工法に変化させ、内外装材としてのボード類の使用は大工、左官、塗装などの工事の一部を脱落させ、生コンクリートやコンクリート二次製品の使用は工場現場におけるコンクリート混練工程を排除しました。その結果、現場の技能労働者は大幅に節滅された。また工法の変化によるカーテンウォール工法の発達などは専門業者を発達させ、元請と職別下請の関係にも影響を及ぼしています。近年における工業製品材料使用の著しい増加は、技術革新により生産力の急増した金属、プラスチック産業等が、コンスタントな工事量の伸びをみせている建設部門にその市場を見出そうとして進出してきたことによるところが大きいのですが、この間における資源材料の枯渇や労働力不足による価格高騰等もプレハブ化を促進する重要な要因となっていました。そしてプレハブ化の進展に伴い、建設業はその領域を建設材料工業により浸食される一方で、建設材料その他の産業から達設業に進入する業者が多数現われました。
停滞的であった建設業の技術は、戦後施工の機械化、プレハブ化を中心に急速な進歩をとげていますが、建設業は依然として労働集約的産業であり、労働力に依存するところが大きい。そのため建設労働者は建設工事量の増加に伴い増大し、その増加率は製造業や産業全体のそれを上回っています。しかしこのような労働者の増加にもかかわらず、技能労働者の不足率は全産業中最も高く、労働力不足は重大な問題となっています。全般的に労働力が不足してくるにつれ、雇用労働条件の悪い建設業は敬遠され、特に出生率の低下により不足が著しく、進学率の向上によりホワイトカラー化してきた若年労働者に忌避されたためでした。また建設労働の重要部分を占めている出稼ぎ、季節労務者が、給源地である農村人口の滅退により減少したことや、建設労働者の高齢化、技能低下等により質が低下したことにより労働力不足は一層強められていました。なかでも養成に期間を要し、しかも機械化の容易でない大工、左官等伝統的技能職種においてその不足は著しく、そのため建設労働者の賃金は上昇し、その上昇率はこれまでの賃金が低かったこともあり、製造業などと比べ大幅でした。そして賃金の著しい高騰は、建設工事費上昇の重要な要因となっていました。

間取り
住宅の生産/ 住宅生産の特徴/ 木造住宅生産の伝統/ 住宅における設計の導入/ 公共住宅の登場/ 町場での住宅生産/ 住宅工業化の必要性/ 住宅工業化の方法/ 住宅の新建材/ 住宅産業化の方向/ 住宅標準の確立/ 住宅技術の開発/ 住宅生産と供給機構/ 町場の住宅生産の将来/ 建設業/ 建設生産/ 建設業の従属性/ 新産業と建設業/ 住宅建築工事の種類/ 建設取引の特質/ 建設業での重層的下請制の崩壊/ 入札と随意契約/ 工事契約の種類/ 工事施工上の問題/ 建築家の沿革/ 設計の瑕疵と施工の責任/ 下請制度/ 建設業の性格/ 建設企業経営の身軽さ/ 建物プレハブ化/ 建設工事費の上昇/ 建設業の経営比率の特色/ 住宅生産の工業化/

       copyrght(c).間取りガイドドットコム.all rights reserved

スポンサード リンク

プライバシーポリシー