住宅生産の工業化

住宅生産の工業化は、工業生産材料の使用の増加、部品部材の工場生産化を経て、住宅そのものの工場生産化へと発展しています。そして最も工業化の進んだ工場生産住宅には技術、需要等の性格を異にする中高層アパートと一戸建てのプレハブハウスが含まれています。中高層アパートは基礎工事その他の現場作業に技術的習熱を必要とするため、従来の建設業者が主力を占めています。これに対してプレハブハウスは低層軽量建築物で、木質系、鉄骨系、コンクリート系により差はありますが、基礎構造や構造体に難しい建築的考慮を払う必要がなく、現場での加工集成が簡単であるため、工場生産で終る部分が多くなります。そのため従来の建設業以外の材料メーカーや家電メーカー等から進出した業者が多い。

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住宅生産の工業化は、技能労働者の不足、労務費の高騰、木材など資源材料の値上り等による住宅建設費の上昇が著しいだけに、急速な発達が期待され、政府も育成に力を入れていいましたが、工場生産住宅は15%が予想されているにすぎず、日本より発達の著しい欧米においても20%から30%止まりとなっています。これは住宅が生活場所であるために様々な機能が要求され、需要が多様で量産のために必要な規格の統一が制限され、大量連続生産の実現が妨げられているので、量産規模が比較的小さく、価格面でも在来工法と比べ大幅なコストダウンを行ないにくいためです。工業化によるコスト削滅のためには、生産の反覆性と連続性を可能にするように需要構造が変化するか、抜本的な技術革新がおこらねばならず、それが期待できなければ、住宅生産の工業化には限界があるといわなければなりません。
しかし、住宅関連産業の発達や労働力不足、労務費の高騰等に促進され、好むと好まざるとにかかわらず住宅生産の工業化は進んでいます。特に工業化部材、部品の使用の増加は著しく、部品のユニット化の傾向もみられます。量産体制の効果をあげながら多様な需要をどのようにして賄うかは、住宅生産工業化の重要な課題です。住宅本体に比べはるかに需要の変動に対する適用性の大きいユニット化された部品やルームユニットの生産は、さらに進められるものと思われます。住宅生産の工業化はどのような過程を辿って進められて、どのような住宅が生産され、それは閉鎖的なシステムによるものか、開放的なシステムで行なわれるのかなどの未解決の問題は少なくありませんが、工業化の進展が、その度合いにより差があるとはいえ、現場作業の比重を低下し、従来の技能を変え、現場の施工体制に影響を及ぼすことは明らかです。そしてプレハブ企業の進出は、建設業者、工務店、大工練梁による在来方式の住宅建設と競争関係にたっており,、内部からの変革が容易でなく、非近代的要素を多分に残している建設業に外部から変革の圧力をかけるものということができます。技能労働者の不足はこの傾向を促進する要因となるはずです。旧態依然たるところの多い建設業の企業経営も、外部の圧力によるところが大きいとはいえ、漸次合理的なものへと変革を強いられているのです。

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