住宅地環境の拡大

近年の住宅地建設の条件の変化、特に地域環境の拡大は、住宅計画のあり方にも大きな変化をもたらしています。これには際立った二つの側面があります。一つはいわゆるニュータウン建設に代表されるような住宅地の大規模化であり、一つは市街地再開発の本格化です。これらはいずれも、住宅計画において、その環境条件の影響を考えざるを得なくなって来たことです。むしろ住宅の計画そのものが、その環境条件を作ることであり、以前のように、住宅を環境に合わせて作るというような発想がほとんど不可能になって来ています。住宅計画がそのまま街の計画であり、環境計画になっているのです。

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間取り

昭和30年頃までは、1団地の住宅はせいぜい1000戸、人口にして3000人から4000人まででしたが。公団が発足してから昭和35年頃までは、約2万人までに拡大しました。その後のニュータウン建設は、すでに団地というスケールを超え、今日では一つの開発計画が人口10万から30万という規模にまで達しています。このような状況の下においては、住宅計画が、単に1戸内、あるいはその近隣内の生活の問題にとどまらず、それをとりまく環境としての住宅地全体、あるいは都市全体とのかかわりにおいて考えられるべきものとなって来ています。居住者の社会階層の問題、長い年月にわたる時間的変化の問題、生活圏の問題、都市空間内における生活領域の問題などが大きくクローズアップされてきました。社会階層の問題についていえば、小規模団地では、公営とか公団とかある一種類の建設主体による事業であれば、住宅に多少の大小はあっても居住者階層はほぼ一定となりやすく、それでさしつかえありません。しかし大きな住宅地となると、それ自体が一つの社会を形成するので、同一階層のみで埋めつくすことは非常識です。特にこれまでの公共住宅では、家賃や住戸規模の関係から比較的若い階層のみが多く集まっていましたが、これが数万人という規模に拡大されると甚だつまらない社会を形成してしまうであろうし、同時に公共施設計画の面でも、例えば幼稚園や小学校とかあるいは病院の需要が一時期に集中するなど、はなはだしい不利を招きやすくなります。近年は家族構成、年齢構成までも含めた人口構造の予測や、将来にわたるその成長変化の予測技術が著しく進歩したため、ある程度これを計画に乗せることが可能になって来ました。そして大規模な開発においては、単に住宅そのものの形を作ること以前に、その住宅建設の事業主体の決定や公共住宅と同時に民間建設を織り込むとか、さらに住宅の規模、形式に変化を与えるなどして、社会階層に幅をもたせることが計画の重要な要素になってきています。
住宅計画における時間の問題、将来にわたる成長変化の問題も、新しい側面として登場して来ました。小規模団地では、時とともに条件が代れば自然に住みかえが行なわれ、居住者層が変わって行くであろうということで片づけられていました。しかし大規模化した場合は、立地条件その他に規制されて、住みかえの幅は自ずから制約されます。したがって、生活水準の上昇、居住者の成長変化、環境条件の変化などに従って、住居がいかに対応して行くべきかということは大きな問題です。1戸1戸の住宅の増改築には限度があり実際には不可能でもあります。むしろ街全体としてある程度の住みかえによる適応を考えると同時に、一方では常に新たな供給を行ない、しかも公共施設や都市施設を次第に強化して行く方策が準備されなければなりません。人口計画に対応した施設の計画が大きな鍵となっています。

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