標準・規格化

都市住宅は賃貸住宅を主体とすることがむしろ合理的であるとすれば、それらは、土地の効率的な利用、建設の経済性などの理由から、高層化、集合化し、その平面、造型面でも標準、規格化されることになります。特に生産面の合理化による高層建物のプレハブ化は、一層その傾向を助長します。そうなると所有感覚の欠如だけではなく、借用の上での自己専有の感覚すらも薄弱になるという心配が生じます。これに似た不満は、戦後大都市周辺に建ちならぶ公共の鉄筋コンクリートアパートに対して表現されます。砂漠のように無味乾燥な建物、個性の全く欠如した画一的な単調さ等一般市民の声を耳にします。その批判が、もっともなことと感じるデサイン性の欠如もないではありませんが、概して批判者は、家持ちや昔から庭付きの借家に入っています。要するに住宅非困窮者であることが多くなっています。入居者あるいは熱烈な入居希望者は、不満は極度の住宅難事情にあり、画一的な建築正面や間取りどころか、赤々と並ぶ燈火にむしろ羨望のまなざしを送る場合すらあります。団地の棟配置、遊歩道、公園緑地、生活施設等が巧みに配置され、好適な住宅景観の現出に成功しているような場合、居住者からも好評を得ている場合もあります。

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間取り

標準化、規格化による同一性については、より現実的な住要求が消去してくれます。しかしそのような日和見的、便宜的な理由からではなく、人間本来の感覚のなかに、自己優位の誇示本能と同時に、それらをならして、平等さに安心を求める本能の働きがあります。多数の世帯が集合する共同住宅形態においては、むしろ後者を立てる方が合理的であり、また建築技術、造型表現、生産性等の面から、必然的に住戸は同質化されますが、住意識もそれを否定することはできません。
この現象は、ここ数年来、都心に便利な地区にぞくぞく建てられているコーポレイトハウス、マンション等のアパート分譲住宅によっても例示されます。これらは中高級持家でありながら、1戸1戸のサファードは、やや小細工はしてありますが、一般アパートと同様に非個性的です。また、1戸建ではありますが、同種の問題をもつであろうプレハブ住宅があります。住宅工場生産すなわちプレハブ化は、第一次大戦後からの建築技術の課題でしたが、技術上の問題よりむしろ土地、価格、需要等の経済的問題ゆえに伸び悩みました。しかし今では住宅生産面でも発展を示しています。その大きな理由は、工業的材料の市場開発、大工、職人技術の低下、手間賃の高騰などによる注文生産の不利の増大等です。したがってこの面でも画一化の認容は進行しています。工業化が発展するほど旧来の手間による注文生産は、高価、贅沢になり、趣味を満足させる階層に限られてくる傾向を強めます。まして一般庶民の都市住宅は、そのような個人的趣味性を外見にてらう意識はうすれ、より合理的な意識へ発展します。生活の個性は、その生活様式のあり方、住生活の内部で表現されることになります。住宅表現の平等化は個人の意識上の問題であって、建築造型はプレハブによっても無限の可能性を持っています。また、都市景観、生活環境のためにも造型性が失われてはなりません。バラエティをもつ住宅棟配置や機智にとんだ豊かな外部空間の構成、施設の計画によって、個々の住宅で表現できない雄大な地域的性格を造型しうるはずです。

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