住宅経営の社会的性格

資本主義の発展は、住宅経済の営みを無数の分離した主体の活動に委ねました。この活動を一つの社会的な住宅径済の営みに結合させうるのは、地代を得て利潤や利益を得ようとする営利的動機のみとなりました。経営過程がこのように分解されてしまうと、住宅の需要の変化に対して必ずしも円滑に供給が行なわれるとは限らず、逆に住宅不足と住宅の質的低下とを導き出してきまい。このような減少に対して、住宅経営に対する政策的な干渉や公共の手による住宅経営が住宅政策として登場してきます。それは資本主義都市に構造的に表れてくる住宅難への総資本的対策であるともいえます。住宅不足、住宅難に対する対策としては、低家賃住宅の供給、民間供給住宅の家賃低下への援助として補助金の交付、低利資金の貸付、租税免除などが問題となります。戦前では若干の公的住宅経営がみられましたが、戦後は、公営住宅、公団住宅、公庫住宅という階層別対策と称する一連の住宅供給の施策が打ち出されててきました。そして、低家賃住宅の供給、計画的大団地建設の出現、住宅資金の低利長期融資などの対策が一応行なわれてきました。

スポンサーリンク
間取り

住宅経営の分野に公共資金の導入が行なわれたために、住宅の生産、経営上に住宅需要の集約化の効果を生みだしたことは注目されます。それも住宅需要はトータルとして巨大ですが、その発生は個別的、分散的であり、それが生産の零細性、個別性を規定しているからです。しかし、個別化した住宅需要を統合する発注体が成立することにより、相対的に連続的、大量的生産が可能となり、住宅生産上一定の前進を得ることができます。公共住宅、特に公団住宅の発足とともに、コントラクターの中にはじめて営業対象として住宅を取り扱う業者が生まれ、成長しはじめ、日本の住宅生産力発展を一歩前進させました。公営住宅、公団住宅の場合、地方自治体や住宅公団は生産者、建設業者に対しては発注者であり、居住者に対しては供給者です。その生産経済上果たしている機能をみると、生産者と最終需要者とを結ぶ中間需要者的役割を果たしていることがわかります。
1家族の需要にこたえる住宅1戸という単位では、零細な住宅建設工事も、これをまとめる組織体が存在することによって、住宅の生産力の増大、技術進歩に大きな影響を果たします。例えば、公営住宅の低層木造住宅から中高層コンクリートアパートへ、さらにプレハブ工法による中高層アパートへという技術進歩と生産力の増大などはその表れとみることができますが、全般的な住宅対策の低調さが、そのような効果をきわめて低い次元にとどめていることは争えません。また、全体として住宅経営全体の中で公共的供給の占める比重はそれほど大きくなく、その成果はきわめて限定的であり、そのためにかえって歪みを与えていることも見のがせません。これに対して、営利を目的としていとなまれる民間住宅経営をいかに評価すべきでしょうか。住宅経営が個別経済の原則の下に働きうる限界は、特に国民の実質的貧困化の中できわめて限られています。しかし、その障害を取り除こうとする政策もまた現在ではきわめて貧困です。したがって、問題の根本的解決はきわめて困難ですが、種々の住宅経営がそれぞれ経済の原則を守ることのみに忠実で、例えば災害に対して危険な住宅、過密、集積、都市地域の破壊につながるような開発などが進められていることは政策の貧困もさることながら、企業としての社会的責任を果たしていないことも指摘されるべきです。

間取り
住宅の経営/ 住宅の経営発展/ 貸家経営の盛況/ 住宅経営の特質/ 住宅経営の社会的性格/ 地代家賃/ 住宅経営での維持管理/ 民間による住宅経営/ 持家と借家の問題/ 敷金・権利金・協力金/ 地代、家賃の構成と鑑定評価/ 賃料に関する鑑定評価方式/ 賃料事例比較法/ 賃貸住宅の経営/ アパート経営の概観/ アパートの経営者/ アパート建設での土地取得/ アパート経営の内容/ アパート経営の実際/ アパート経営の型/ 一般貸家の経営/ マンションの経営/ 賃貸住宅の立地/ 賃貸住宅の環境条件/ 賃貸住宅需要の形態/

       copyrght(c).間取りガイドドットコム.all rights reserved

スポンサーリンク

プライバシーポリシー