住宅経営での維持管理

住宅の経営は生産経営と消費経営とに区別されます。住々にして経営は主に前者と考えられがちであり、生産、供給の段階から居住、消費の段階に入る過程では、多くは個別的な循環と流通にまかされるのが、住宅経営の一つの特性です。しかし、建設された住宅がいかに耐用命数を保ち、そのために必要な維持、管理費および修繕費などの追加投資が誰によってどれだけなされるかは、経営経済的観点からみて実に重要な問題です。スラムとして問題になる地区は、当初の物的水準の低さに加えて、この追加投資が欠如している典型です。維持管理は、居住そのものと結びつくが居住者の責任によって行なわれるかそれ以外の経営主体が行なうかによって違いが生じます。まず、持家と借家の違いからいえば、前者は所有と利用が一致しているために居住者の手によって維持管理が行なわれ、一般的に住宅に対する手入れが行き届くため長持ちします。これに対して、後者は所有と利用は分離しているため、一般的にいって住宅の消耗は、持家より激しくなります。

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間取り

経営の規模によってメンテナンスの主体は個別か独立の経営主体かに分かれるとともに、維持管理の対象が住居から住宅地に広がります。例えば住宅団地あるいはニュータウンの場合、その住宅地としての規模の上から、いままで個別的に処理をしていたゴミや屎尿が、必然的に焼却炉や下水道によって共同で処理され、駐車場も専用の公共的なパーキングスペースが用意されるかまたはそれを独自の営業対象とする経営主体によって管理されることになります。一つのまとまった住宅地が大きくなればなるほど、ガス、電気、上水道、清掃設備、下水道、温水暖房、さらに交通機関など共同消費手段が多くなり、それらを維持して経営する主体の確立が必要となってきます。大量の住宅建設供給者である公共体や民間の大規模業者はこれを推進する社会的責任をもってきます。しかし、大団地の経営をめぐって発生する問題はさらに多く、例えば公的機関による団地において、需給の不均衡を反映する高い競争率のもとでの不正入居の頻発、苦情処理機構の不備、修理その他サービスの遅滞、非権力的サービス事業の中に持ち込まれる権威主義的官僚主義、共益費、敷金利子の使途の不明瞭さ、一方的な家賃値上げのシステムなど、管理上の問題声は多いと指摘されます。
公的な集団住宅地の場合、その維持管理の責任は比較的明確にですが、日本の市街地のかなりの部分を形成している民間住宅地、それらの多くは民間アパートや民間建売、分譲住宅の集積によって成り立っています。この場合は、一団地として生活利便施設をもともなうワンセット的開発の大団地を除いて、維持管理の主体があいまいです。各住戸、住棟は居住者によって何とか維持管理されますが、それらの総体としての住宅地の環境の維持管理のシステムは、きわめて未熟で、住民の側についても自らの町づくりをすすめろといったところまで組織化されているものは皆無であるといえます。個々の住宅の維持管理と同様に、住宅地、地域の維持管理も居住者の主体的協力を軸として発展するものであり、これらの点について解決すべき問題はきわめて多くなります。

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