敷金・権利金・協力金

土地建物の賃貸借に当たり、敷金、権利金、協力金などを授受することが多のですが、このうち敷金については戦前より行なわれているのですが、その他のものについては、戦後、行なわれるようになったものが多い。戦前でも借地上の木造建物を鉄筋コンクリート造りに変更する場合に、地主に対し建築承認料的意味で権利金を支払った事例がありますが、現在のように慣習化したのは、戦後、住宅をはじめ事務所、店舖等が不足したために借地、借家を必要とする人が、その借入を確保するために止むをえず支払うことになり、一方、貸主としても、投下資本を回収しあわせて収益にもつながることから受領した結果、今日慣習化するに至ったものです。

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間取り

保証金や敷金は賃貸借の際、借主より貸主に預けられ、契約終了時あるいは一定期間据置後、返済されるもので、主なるものは次の三つに分類されます。
1. 敷金 賃料不払、滞納などの契約不履行にもとづく損害賠償の担保としての性格を有するもので、無利息が一般的です。場合により償却として、この敷金の一定部分を差し引くことがあります。
2. 保証金 賃貸借契約に定められた契約期間の完全履行を保証するためのもので、中途解約防止のために設けられたものです。例えば契約後3年以内に解約した時は、10%の違約金を払う特約がなされる場合もあります。
3. 協力金 ビルなどの建設資金に充当することを目的とした、金融的性格を有するもので、建設協力金とも呼ばれます。貸ビルが不足した時に発生したもので、最近の貸ビル充足に伴い、協力金額の減少、賃貸条件の緩和がみられます。
以上のように、それらは概略三つに分類されますが、いずれも契約期間満期時または一定期間据置後、分割返済されるもので、いわば貸主への預け金的性格を有するものです。この期間中は、貸主がその金銭を自由に運用することができ、その運用益は借主に交付される一部付利のものを除いて、大部分は貸主の所得となります。毎月の支払賃料を基礎に考えれば、この所得の額を加算することにより、家主の実質賃料すなわち借主の実質的経済負担額を算定しうるものです。また、借主の実質的経済負担が最初に決定されている場合には、この額を差引くことにより、毎月支払う支払賃料を算定しうるものです。この運用益を求める方法は、これら預り金の実質賃料の算定期間の期首における現在額に運用利回りを乗じて求めるものです。この場合、預り金に利息を付する特約ある時は、その利息を差引いて計算する必要があります。
保証金、敷金などは借主に返戻されるのに対し、権利金、礼金および敷金の償却分は、将来にわたって返済されず、実質的には毎月支払う賃料以外の賃料として性格づけられています。これらの授受による貸主の経済的利益は、それらが各年にわたり実質の賃料に充当される額と、充当後の残額を運用することによる運用益との二点といえます。
現在、権利金支払いの慣行としては、借地をする場合、店舖の借入またはその譲受の場合など比較的長期契約の場合で、住宅、アパートの賃貸借には権利金授受は行なわれなくなっています。借地の場合の権利金の額としては、土地価格の2割〜3割から6割〜7割迄達する場合もありますが、この差異は一方の地代金額で調整されることになっています。地主の側がらすれば、土地を処分するよりも権利金を授受した方が有利と考えた結果であることはいうまでもありません。店舗の場合は新規よりも、むしろ営業中のものを権利譲渡の形で行なわれる場合が多く、譲渡人は従前家主等に支払った権利金等を回収し、一部家主には名義変更料が支払われることになります。金額としてはケースによって相違がありますが、不動産価格の7割から8割に及ぶものが多い。

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