地代、家賃の構成と鑑定評価

個々の具体的な地代、家賃は契約自由の原則にもとづき、契約当事者相互の合意により定まるものですが、第三者からみた一般的に客観的妥当性をもった適正な地代、家賃はいかにして決定せられるのでしょうか。地代、家賃の鑑定評価については、不動産鑑定士等が不動産の鑑定評価に関する法律にもとづき鑑定評価を行なうのですが、その基準となるものとして、昭和41年4月、宅地審議会から建設大臣に答申せられた、賃料の鑑定評価基準があります。不動産鑑定士等は依頼者よりの嘱託にもとづき、この賃料基準に規定された手順ならびに方式に従って、適正なる賃料を求めることになります。鑑定評価によって求める賃料とはどんな賃料であるかについては、賃料基準は次のように規定しています。鑑定評価によって求めるべき賃料は、正常賃料であることを原則とし、対象不動産の段格上、正常賃料を求めることが適当でない場合、又は賃料の鑑定評価に際して特段の条件が付された場合には、特殊賃料とするとし、不動産鑑定士等が、賃料の鑑定評価を行なう場合においては、対象不動産の適正な賃料を把握すべきですが、この適正な賃料の把握とは、鑑定評価の基礎となる対象不動産の範囲について、賃料の算定の期間及び時期に対応して実質賃料を求めることを原則とし、賃料の算定の期間及び支払時期に係る条件並びに権利金、敷金、保証金等の授受に関する条件が付されて支払賃料を求めることを依頼された場合には、実質賃料とともにその一部である、支払賃料を求めることができるものとすると規定しています。

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賃料基準は、鑑定評価によって求めるべき賃料として、正常賃料、特殊賃料、実質賃料、支払賃料の4賃料を定めています。
正常賃料とは何かというと、賃料基準では次のように定義しています。正常賃料とは、不動産の賃貸借等に関する自由な市場が存在し、かつ、貸主と借主とが十分に市場の事情に通じ、しかも特別な動機をもたない場合において成立するとみられる適正な賃料をいうとし、この場合の例示として、次のようなものをあげています。
 新規に賃貸借等の契約を行なう場合の賃料。
 既契約の賃貸借の賃科の適否を検討する場合。
 公共用地の取得および土地収用に際して、賃科の損失補償に関連する場合。
また、特殊賃料については、基準は次の如く定義しています。特殊賃料とは、対象不動産の性格上、正常賃料を求めることが適当でない場合、又は賃料の鑑定評価に際して特段の条件が付された場合において、当該不動産の性格又は当設条件に即応する適正なる賃料をいうと規定し、その例示として次のものをあげています。
 公共または公益の目的に供されている不動産の使用料等の算定に関連する場合。
 既契約の賃貸借等の賃料改訂に関連する場合、
 貸主としての投資採算性、または借主としての企業収益性の観点からの賃料の算定に関連する場合。
 その他特段の条件により契約される賃貸借に関連する場合としています。
実質賃料とは、貸主に支払われるすぺての経済的対価をいい、各支払時期に支払われる支払賃料のみでなく、賃料の前払的性格を有する権利金、礼金等の償却額及び運用益、預り金的性格を有する協力金、保証金、敷金等の運用益のすべてを含むものとすると規定しています。また、支払賃料とは、各支払時期に支払われる賃料をいうとし、なお慣行上、建物及びその敷地の一部の賃貸借等に当たって水道光熱費、掃除費、衛生費並びに機械設備の維持管理費等がいわゆる附加使用料、共益費等の名目で、別途に支払われる場合がありますが、これらは支払賃料に含まれるものであるとしています。
賃料の算定期間は、宅地ならびに建物およびその敷地の賃料にあっては1月を単位とし、その他の土地にあっては1年を単位として算定します。また、賃料の支払の時期は、賃料の算定の期間の終了時とされています。賃料の対象不動産の範囲について、基準はおおむね次の如く規定しています。
土地の賃料については、賃貸借等の対象となる当該土地の全部。
建物とその敷地については、建物の全部が対象となる場合は、賃貸借の対象となる建物の全部並びに建物の機能上必要とされる敷地。建物の一部が対象となる場合は、専用部分及びそれに必要とされる共用部分の負担部分並びにその敷地のうち、建物の機能上必要とされる部分のうちの負担部分以上を要約すると、賃料基準は、不動産鑑定士等が求める場合は正常な実質賃料を原則とし、敷金や保証金などを除く条件で支払賃料を求めることを依頼された場合は、支払賃料を依頼者に回答しても良いが、鑑定評価書には必ず実質賃料を同時に記載するものとしています。

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