アパート建設での土地取得

過去の大規模貸家経営の一形態として、土地所有を目的とした地主経営から発展してきた型を考えることができますが、現在新規建設によって貸家供給に参加する経営のうちには、このような型のものは存在しません。ところが、経営を開始するに当たってあらかじめ家主の手に保有されている資金が比較的少額で、かつ借入金を大量に導入することが困難であるという条件のもとでは、必要な敷地取得費を支出する余裕が少ないと考えられます。このような条件に制約される場合、敷地に対する支配権、所有権であっても単なる債地権であっても、アパート取得前にあらかじめ確保していることは、経営成立の主要な条件となると考えられます。事実、どの種の自己資金を保有するものであれ、どの種の職業に属するものであれ、敷地の使用権を確保することが必要な条件とみなしうる状態です。そして、敷地の使用権をあらかじめ確保している経営が多い。つまり小規摸の経営では、敷地使用権を事前に保有することは、アパート建設の前提条件と考えられます。また、大規模経営においてもこの条件は、経営拡大のための新しいアパート建設のきわめて有利な条件です。そこで、既存の建物を取壊してアパートに建て替えることも、しきりに行なわれています。しかし、標準的な規模のアパート経営を開始しようとするものにあっては、当初からそれなりの採算性が考慮される場合に限って、敷地取得費の準備が可能です。

スポンサーリンク
間取り

特に関東の経営にあっては、一部の大規模経営をのぞけば、経営の採算性を考意することが弱いため、積極的に宅地を取得し、合理的な規模の径営を行なうことが不可能である点と、すでに市街地連担地域が15キロから20キロ圏におよぶため、アパート経営の立地点を、市街地内に選ばざるをえないという条件を課せられているため、アパートは既成市街地内に建てられることになりました。そして、在未の住宅が1戸建であったことは、敷地内にアパート建設の余地をもつこととなり、自宅と棟を同じくするものが1/2近く、自宅敷地内別棟のものが1/3強、計約80%をしめ、100平米/械未満の敷地のものが約1/3、100平米から200平米/棟のものが約1/3をしめています。このことは過去には想像もできなかった状態であり、それだけに現在のアパート経営の特殊な性格が浮び上ってくるのです。これに反して、大阪では家主が同一敷地内に居住するウパートは約1/4であり、徒歩圏内を加えても約1/2にすぎません。そして、市街地内部がほぼ建物で埋めつくされ、建替え以外にアパート建設の余地はありませんでした。しかし、市街地連担地域をはずれた外周部の通勤可能な地域が低湿地としてとり残されていたので、ここの部分にアパートが進出しました。
また、アパート建設にあたっては、建設費をいくらかでも軽減したり、その後の経営の運営を助けたいという欲求は強いものであり、そのために便宜を得ることのできる径営として、家主の職業が建設業ないしは建設関連業、不動産業ないしは不動産取引業などであったり、また古材購入、代物弁済、競落などにより建物を取得することが可能だった例が数多くみられます。このことは、アパート建設自体にとっては、たしかに有利な条件ではありますが、このような条件が強く作用することにより経営が成立しえたとすると、これらの経営はかなり特珠なものといわざるをえません。
アパートを取得し経営を開始する際、客観的条件の存在は不可欠ですが、同時に家主の経営創設の意志が先行する必要があります。しかも、この意志がどのような動機に触発されているかは、その後の経営の性格をみていくうえにおいて、注目すべき要因です。経営創設の直接的動機は、もとより経営がおかれている客観的状態の反映として、あるいは客観的条件からみちびきだされた、将来に向かっての見通しとの関連で家主に意識されるものです。そして、この動機が貸家経営により取益をあげること自体を目的とする場合もありますが、主要な目的が貸家経営以外にあり、それにいたる手段として貸家経営を意図している場合もあり、むしろ後者の場合が多い。
つまり、家賃収入をあげること自体を目的とする経営、老後の保障、子弟の養育などの生活保障的なもの、資産保全、信用保持など不動産所有に目的があるもの、さらには動機がはっきりしないまま何となく経営に参加したものにわけることができます。そして、大規模経営よりむしろ小規模経営で、貸家業による家賃収入を意識するものが多い。しかし、同時に生活保障を強く意識するという点で、その家計補助的、生活保障代替的傾向を裏付けるものです。そして、大規模経営ほど、純粋に貸家経営による収益を考慮するものが多くなり、個人経営者層では、投資としての有利さに着目するものが増大します。

間取り
住宅の経営/ 住宅の経営発展/ 貸家経営の盛況/ 住宅経営の特質/ 住宅経営の社会的性格/ 地代家賃/ 住宅経営での維持管理/ 民間による住宅経営/ 持家と借家の問題/ 敷金・権利金・協力金/ 地代、家賃の構成と鑑定評価/ 賃料に関する鑑定評価方式/ 賃料事例比較法/ 賃貸住宅の経営/ アパート経営の概観/ アパートの経営者/ アパート建設での土地取得/ アパート経営の内容/ アパート経営の実際/ アパート経営の型/ 一般貸家の経営/ マンションの経営/ 賃貸住宅の立地/ 賃貸住宅の環境条件/ 賃貸住宅需要の形態/

       copyrght(c).間取りガイドドットコム.all rights reserved

スポンサーリンク

プライバシーポリシー