マンションの経営

マンション等の名称で呼ばれる、民間経営の鉄筋コンクリートアパートがあらわれてきたのは昭和33年以降のことで、住宅市場で一定の重みをもつところまできたのは、東京、大阪などの大都市に限られました。このようなアパートは、はじめ事務所、仕事場、さらには別荘、ホテル代りとして利用されていました。その後ハイソサェティがもとめるモダンスタイルの住まいとして定着しました。そして、事務所、仕事場、サロンに利用するか、ハイソサェティを対象とする住宅として利用する時価数千万円以上のデラックスタイプのものと、上層サラリーマン、自営業主などを対象とする、公団アパートなみの時価のものとにわかれます。しかも、これらの鉄筋コンクリートアパートの大半は分議形式をとり、賃貸形式をとるものはさほど多くはありません。

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間取り

賃貸注宅経営としてこのような高級マンションの経営をみると、特長的なことは、マンション賃貸業だけで成立している企業はまれであり、なんらかの意味で他の営業をかねています。その一つは多角経営の一部門として、他の一つは大資本系列下の子会社として、直接間接に鉄筋コンクリートアパート経営に関連のある建設業、不動産取引業、不動産管理業あるいはマンション分議業などに関係しています。例えば建設業にあっては、直接事業領域、事業量の拡大をねらいとするもの、あるいはマンション建設の企画に参与することによって出資、施工を行なうにいたったもの、不動産取引業、不動産管理業にあっては、土地利用の相談や不動産管理を通じて企業がジョイントするものなどです。要するに、一体化した不動産経営の一部門として、マンション賃貸業を行なうものが普通であり、その経営の内容は不動産管理、不動産取引、鉄筋コンクリートアパート分譲に関連するものが非常に多く、木造アパート賃貸、木造貸家賃貸などに関連するものもあります。同時に、賃貸鉄筋コンクリートマンションの企画段階から、土地提供者としての不動産業者、多角経営化した建設業、建設資金の融資から家賃の収受にいたる金銭管理を担当する金融機関が集まって、三者共同で出発するものが多い。また、住宅経営ないしは不動産経営の一部として、もっぱら銀行、信託銀行の資金的協力をあおぎながら成立するものもあります。
それぞれ一定の収益を維持しうる企業がすすんで連合し、繰り返し鉄筋コンクリートマンションの経営にあたるわけであるため、建設業における不況対策や、事業領域拡大といった特殊な目的をもつ場合もないではありませんが、それぞれの企業が多額の投資を行ない、それなりに一定の利潤を獲得できなければならないはずです。このようなマンションは、アメニティの高い地区でなければ成立しえないものであり、一般にはその用地費は高いものとなると考えられます。しかし、現実の経営においては、既得の借地を利用するとか、借地権を得た代償として、再開発後アパートの一部を地主に提供するという形で解決するものが多く、その結果、投下資金額をいくらかでも低減させることができます。また、建物が完成しないうちに、はやくも借家人の募集を行ない、一時金を徴収することも行なわれています。そして、採算性を重んずるという点で、一時金の額は10カ月以上になるものが多い。いくつかの計算例では、諸経費抜きで、元金の回収に10年ないしはそれ以上の機関を要するのが普通であり、短いものでも6年から7年程度です。木造アパートの経営にくらべはるかに利回りは悪いことを覚悟しなくてはなりません。しかし、建物が鉄筋コンクリート造で安全性が高く、長期の使用に耐え、その減価がきわめてわずかであるにもかかわらず、立地条件が良いことから地価の高騰により、資産価値が上昇するだけではなく、後続の家賃額にさや寄せすることが可能であると見込まれ、借家人の交代に際して、再度返還を必要としない一時金を収受することができるという点で、みかけ上より有利な経営ができると考えられています。元来、資金の短期回収を意図して行なわれる分譲方式が、頭金として1/3から1/2を払い込んで、,残金を3年から7年、長いものでは15年の割賦払いを認めていることを考えれば、経営の採算性をある程度維持することは可能であると考えられます。しかし、専門的な経営者以外で、個人ではじめて鉄筋コンクリートマンションの賃貸を行なったものや、専門外の業種に属する企業でこれに参加したもののうちには、経営困難を訴えるものもあります。
これ以外に、分譲鉄筋コンクリートアパートの住戸を一戸ないし数戸購入して、それだけで貸家経営を行なうものがあります。これは,その購入費がせいぜい数千万円をこえる程度のものであり、借家人の数も少なければ、建物全体の管理を行なうといったものでもなく、一般家賃の代わりに鉄筋コンクリートアパートの住戸を利用したにすぎないものです。その家主も、アパートのために土地を捉供した者や、郊外に所有する家屋を売却して買いかえた者など、資産保全的要素の濃いもの、あるいは個人経営者、老齢者などで、自らの蓄貯蓄を投入して、生活保障的、生計補助的経営として行なうものです。ここでは、厳しい採算性が要求されないだけに、経営として一応成立し、これを運営していくことができるのです。

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