賃貸物件投資のための土地売却

農家が土地を売却するもう一つの特徴は、土地売却代金で貸家、アパート、貸事務所を建てていることです。これも不動産投資の一つの形態です。商業用の店舗の新築のためにも土地を売っています。その地域が明白に限界地化し、持家を持つ住人が数多く定着すると、その建築や土木工事などのための職業人の転入も生じ、それらに伴って学校その他の機関も開設され、商業、サービス業地も形成されます。こうして各種の需要が発生すると、対応してその供給もまた発生します。そのうちで、土地を必要とする貸家、アパート、貸事務所、貸倉庫、などは土地を所有している農家の転業対象に選定されることになります。

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農家が一時は土地ブローカー的性格に変質する必然性がありますが、そうだからといって農家の全てが企業としての不動産業者に転業できるわけではありません。少数の特別な才能を持つ人のみが不動産業を開業し継続しうるにすぎません。伝統的な農業者の多くはこのような投機的企業になじめません。商業の場合も同様です。また、限界外地を安いうちに売ってもよいとする農家とその面積は限定されており、限界地の移動に伴って土地の売買が一巡すると、一人一人の農家にとって近くで土地を買うことのできる可能性はしぼみ、経常的に土地売買を続けることはできなくなります。こうした事情も、一度は土地ブローカー化した農家を不動産業に徹しさせない要因となります。
土地ブローカー化に徹底できない大多数の農家にとって、農業所得をはるかに越える残された確実な経常所得を得る一般的な方法としては、残った土地を売って貸家、アパート、貸事務所、貸倉庫などを建て、家賃にょって所得を得る方法です。
以上のように限界地用辺の土地売買の機構を考察すると、終局的な宅地需要とそれに対する供給を対比するためには、土地ブローカー的な仲買の要素を捨象する必要があることになります。捨象される仲買は純粋な不動産業者によるものばかりではありません。ブローカー化した農家による仲買も同じく捨象しなければなりません。宅地化の真の土地需要は、限界地に持家を建てるために土地を買う人の需要だけです。この需要に対する供給動機は、主として自家の新改築のような消費的欲望を充足するための土地の売却と、生活の安定のための貸家、アパートなどの建築資金の確保のための土地売却に限定されます。ブローカー的な仲介行為は、この真の需要と供給との間を仲介するものにすぎません。
ブローカー的な仲買によって、土地売買は限界地の外側に広げられますが、真の宅地需要者たる持家を建てるための土地需要は限界地内に限定されます。ブローカーによって買われた限界外地は、そこが限界地に転化して後に真の需要者に売渡されます。ブローカーはその行為によって利鞘をかせぐことができますが、真の供給量を増加できるわけではありません。それは限界外地の農家の狭い消費的欲望の限度によって限定されるからです。限界地に持家を建てる人は、その宅地を支払限度ぎりぎりの高い地価で買わされるのですが、その機構の根本はそのような人々の需要の総量に対して、上述の供給側の農家の消費的欲望と生活の安定のための投資資金の必要限度が狭く限定され、宅地の供給の総量が需要に対し不足しているということです。
これを逆説的にいえば、大都市圏への人口の集中が現在はど激しくなく、持家を持ちたいという人数が少なく、農家の上述の二つの理由による土地供給の総量に対し、宅地に対する真の需要が相対的に少ない場合には、地価の激しい上昇は生じえないということです。また、安い土地を求めて外側への需要の移動が生じることもないわけで、激しいスプロールもまた生じえません。したがってまた、ブローカー的な売買行為の生じる余地もありません。これが大都市圏と地方都市の場合の限界地の地価水準の相違をもたらす一要因です。もう一つの要因は両者の土地需要者の所得水準の相違です。
明らかに限界地になり、地価が高額になっているのに、その土地を買うのは、持家を建てるために土地を買う人です。限界地の土地を売る農家は、持家を建てる人に売った代金で、自家を新改築するような消費的欲望を充足したり、生活の安定のために貸家、アパートを建てたりして、残金で限界外地を買う。同じく、限界地の士地を売った不動産業者はその代金で限界外地を買います。こうして、限界地の売上げ代金のかなりの部分が限界外地の農家の懐に配分されます。現在の限界外地が限界地化すると、さらに外側の限界外地が土地購入の対象地に転化します。そして同じことが繰返されます。こうして、持家を建てる非農家の懐から捻出された現金は、転々と限界地周辺の全農家と仲買の不動産業者に配分されると同時に、終局において、農地は持家、貸家、アパートに現実に転用された面積だけ縮小しますが、その縮小分はまた現金の移転と逆方向に関係農家全体に配分されるので、個々の農家の所有面積はそれほど縮小しないわけです。

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