地価格差

位置による住宅地地価の格差を現象として見ると、通勤限界地から鉄道に沿って都心まで次第に高まっています。この格差を維待する需給の均衝条件として、まず、限界地の内側の任意の地域の残存農地の宅地化を考えてみます。需要側について見ると、限界地の通勤の不便を忍ぶよりは、高くても便利な内側に住みたいし、高い土地を買う力がある人がいるということです。戦後の経済の発展と首都圏への企業の集中払大により、幹部級の所得の多い人の数は増加を続け、その所得も増大しています。こういった需要は中間地域へ向います。しかし、都心から10キロ程度の鉄道沿線は高額になり、このように高い地価ではどうしても需要者数は限定されるので、残存している農地林地は売りにくくなります。地価の方は、通勤限界地に対し位置の優位によって、売れなくても下がりません。むしろ、限界地が外側に移るにしたがって、位置の相対的有利性は高まり、地価の上昇傾向は止まりません。

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中間地域の地価は、限界地の通勤条件に対する相対的有利性によって、内側にゆくにしたがって高くなる必然性があるわけですが、高地価は当然その土地の需要量を滅少させるように作用します。その場合、多額の資金を投入した上に、それが支払限度を越えるという理由で庭の欲望を抑えてまで、通勤の便の方を選択するものが明らかに存在するということは、需要量の減少傾向を抑制し、その土地の地価の相対的な高さを維持する役割を果たします。つまり、このような需要者の支払能力が中間地域の地価を支えているといえます。
持家需要者の支払限度によって地価が定まるとしても、限界地が外側に移動し、かつ、限界地の地価が時の経過とともに上昇するにしたがって、中間地域の地価は必然的に上昇するのであり、その地価上昇率が利子率以上であるとすれば、供給側にとっては土地は売らない方が有利です。にもかがわらず、これを売却するものが存在するのはなぜなのでしょうか。それは限界地から都心までの地価上昇率が一様でないという事実に求められます。この上昇率の相違を常識にしたがって、地価の高いところほど需要量が滅少するという理由によるものと考えます。限界地に対すろ相対的有利性によって地価は高いのですが、地価の高い土地の需要は少ないので、上昇率は都心に近づくほど低滅します。このような位置による上昇率の相違は、限界地とその近接外側地に生じたと同様、投機的売買に機会を提供します。中間地域のある地点に持家需要が生じたとします。地主がその土地を売って、売却代金によってその地点の外側の土地を買うならば、将来、地価上昇率の差だけ投機的収益が得られます。その外側を売った地主も同様の行為を行なうことによって投機的収益が得られ、限界地まで売買の連鎖が生じます。
中間地域から波及してゆく限界地に対する需要の影響については、限界地だけを抜き出して分析した前の段階では捨象せざるをえなかったので、限界地の需要は持家需要に限定されるものとしました。にもかがわらず、限界地での供給を制限する強い要因が存在するために、需要はつねに供給を上廻り地価を上昇させ、限界地の外側への移動を引起すことを論証することができました。その上に、中間地域から波及する投機的需要が加わることになるため、限界地の地価上昇率はきわめて高くなるはずです。
こうして、限界地から都心の方向に地価と逆方向に需要が低滅するということと、投機的需要が外側ほど増加するということとのために、地価上昇率の内側から外側へ向っての相違という現象を、大都市圏の地価に関する一つの法則性たらしめました。しかし、地価上昇率が外側ほど高いといっても、相対的に内側ほど通勤に有利であるという根拠があるかぎり、外側の地価の絶対額が内側に等しくなるまでには達しえません。通勤時間、地価曲線の勾配が時の経過とともに緩になるのです。
以上の傾向に加えて、都心に近づくと、住宅地としての環境が悪化しているので、高額所得者の住宅としての購入対象地域ではなくなります。そして、なにかその土地を選定しなければならない理由のあるもののみの対象となります。これらの土地の地価は、住宅地に対する需給均衡によって定まるのではなく、近くの商業地域の地価との関連で定まることとなります。そして、このようなすでに人家の密集している地域の商業地域の地価はきわめて高いので、その背後地の地価も高く、ここに住居を構える人達は、建ぺい率を犠牲にして庭のない敷地一杯の住宅を建てざるをえません。そして、広い敷地を持った古くからの住人は、周辺がゴミゴミしてくると地価の上昇も停滞傾向に転じ、環境に我慢がならなくなって、その土地を逃げ出します。逃げ出したあとの土地は企業用地になったり、あるいはマンションといった高層住宅が建てられたり、土地を購入する人数が複数になり、土地は分割され、庭のない家に転化したりします。
売った方は、多額の現金を得て、これも中間地域の需要者となります。そして、その所持金の大部分を中間地域の地主農家に奪われ、その支払代金は外側へ波及する投機的売買の資金となります。
以上のような推移をたどり、限界地から都心の商業地まで、距離と相関して地価の格差と地価上昇率の格差が生じるのです。

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