貸家アパートの限界地

住宅限界地としてきた通勤限界地は、持家の限界地にすぎませんでしたが、持家の限界地にもアパートや貸家が建てられています。しかし、その主たる借主は限界地に近い範囲に職場を持つ者であって、大部分は都心に通勤する者のためのアパートや貸家にはなっていませんでした。そうすると、都心通勤者のアパート、貸家の限界地は別に都心に近い位置に存在することになります。しかし、アパートと貸家の限界地の位置をつきとめることは、持家の場合ほど容易ではありません。持家の限界地にもアパート、貸家は存在します。それが都心に対するアパート、貸家限界地ではないということは外観を見ただけでは分かりません。また、持家の限界地にある貸家、アパートにも少ないながら都心への通勤者が居住しています。

スポンサード リンク
間取り

アパート入居者は持家住居者に比べて年齢が若く、またホワイトカラーよりもブルーカラーが多く、大企業よりも零細企業に勤める者が多い。アパート入居者は残業や交代勤務の関係で帰宅時刻が遅くなる場合が多いために、なるべく職場に近いところで駅に近い住居を求めます。しかも所得は低い。この要求を満たすものがアパートです。また私鉄のサービスもアパートの限界地を決定するのに重要な役割を果たしています。
そして、地価の上昇がこの集中傾向をさらに助長します。持家限界地のやや内側の駅付近では、地価がすでに大多数の持家需要者の支払限度を越えており、そうかといって商店などの需要はごく限られたものでしかありません。駅付近では、表通りに面して商店街ができますが、そのすぐ裏側には畑が残されたままになります。そこにアパートが建つことになります。立地条件ではアパートの適地であり、土地所有者が建てる場合には、地価は障害になりません。他の用途はいずれがの条件に欠けるのです。
アパート限界地にはなお広く農地が存在しています。この限界地から持家限界地までの地域では、都心通勤者によるアパート需要は少なく、地元勤務者の需要に限定されていて、需要量が少ないことがアパート数を規定しました。需要が多くなれば、いくらでもアパートが増加する余地は残っているのです。その土地が都心通動者の限界地に入ったということは、アパート数が地元需要に制限されるという枠が外されることを意味し、需要側に質的な転換が生じたことを意味します。それゆえに需要量は激増するのです。
家賃の上限は、持家限界地でのアパートの場合と同様、アパートを建てる資金を得るために売る土地の地価上昇の損失が家賃に等しいとする水準です。地主たる農家は、同額の価値増加が期待されるならば、経常所得が増大する方を選択すると考えられます。家賃がこの水準以上ならば、土地を売ってアパートを建てる行為は一般化し、家賃がその水準に低下することを阻げる条件がないからです。
土地売却によるアパート建築の外に、退職サラリーマンによるアパート供給の形態などがありますが、資金量の点で土地売却によるものが多くなっています。その土地がアパート限界地になる前に、すでに持家限界地でさえアパート、貸家は建つのであるから、農家はその収入を貯蓄してアパート建設資金を作ることができるのではないか、アパートを建てるために土地を売る必要はないのではないかと考えられますが、その土地がアパート限界地になるまでアパートの需要は少ない上に、家賃は建築費の償却と金利の水準に規定され、それも大部分は上昇した生活水準の下で消費に当てられ、多額の貯蓄のないものが大多数を占めているとみるべきです。アパート限界地の外側の地価上昇率の高い地域では、土地に潜在している資産価値は年々大幅に増大しますが、土地はそれほど売られておらず、貯蓄でアパートを大幅に新築することを可能にするほどに達しているとは考えられません。

間取り
住宅限界地/ 土地の商品性の喪失/ 土地供給側の特性/ 土地売却の目的/ 農家の土地ブローカー化/ 賃貸物件投資のための土地売却/ 代替地取得の地価への影響/ 通勤限界地の地価上昇傾向/ 地価上昇率と需要/ 持家限界地での家賃/ 地価格差/ 貸家アパートの限界地/ 家賃の規定/ 家賃の格差/ 家賃と所得水準/ 地価と所得水準/ 供給側の条件による地価/ 地価の上昇/ 需要側の条件による地価/ 家賃/ マンションの分譲と賃貸の比較/

       copyrght(c).間取りガイドドットコム.all rights reserved

スポンサード リンク

プライバシーポリシー