マンションの分譲と賃貸の比較

マンションの場合、家賃は用地費を含む総建築費の金利と考えてよいであるため、物価変動の影響を無視すれば、建築内容が等しい場合、分譲と賃貸のどちらを選択しても需要者にとっては経済的には等値なはずです。ところが一時的に多額の資金を必要とする前者の方が選好される傾向が強く、その一つの理由は、物価が上昇する傾向が続いていること、特に建築費はそれ以上に上昇傾向を示しているからです。家賃は、経済法則としては、建物の再建築費にスライドさせ、建築費が上がればそれに従って上げなければならない性質のものです。そうでなければ、建築費の償却ができず実質家賃は物価上昇に反比例して滅少します。現実には、借家法の存在が、このスライド制を実質的に拒否しているので、家賃の経済法則は貫徹できず、賃貸住宅一般の供給を大きく抑制しています。マンションの場合もその例外ではありません。

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間取り

借家法による制約がなくても、一貫して続くインフレ傾向の下では、貯金は実質資産価値の減価さえ招きがちであり、建築費は物価以上に上昇するのであるため、資金を入手できる需要者にとって、次第に高められる家賃を支払うより、一挙に支払ってしまう方が有利です。その上、地価上昇の影響が加わることとなります。分譲の場合には、業者は土地を買って、その上に住宅を建て、これを売って、次の土地を買うわけだから、買いと売りとの間の地価上昇を分譲価格に含めざるをえません。地価上昇率が利子率以上に達している現状では、地価上昇マイナス金利つまり売買差益が業者の利潤の源泉と考えられています。ところが賃貸の場合には、現実に家賃を物価にさえスライドさせることができないのであるため、まして地価の上昇にスライドして上げることはとうていできることではありません。マンションの場合に総建築費のうち用地費の比重は軽いとしても、この要素もまた賃貸形式の普及に対する阻げとなります。
企業利潤の源泉は、賃貸の場合には金利概念であるのに対して、分譲の場合には売買差益概念です。企業にとって一方は資金の固定を意味し、他方では廻転を意味します。現状のように住宅需要が強く、かつ、物価と地価が急上昇している場合には、廻転を早め買売差益を累積することによって高い利潤が期待できます。
住宅の需要者にとっては、逆に、賃貸は資金の廻転を、分譲は資金の固定を意味します。賃貸を廻転と見るのは、家賃を、分譲の場合の必要資金を他に運用して得る果実からの支払いと見ることができるからです。建築費と地価の上昇にスライドするはずの家賃を支払うことができるほど、うまく自己資金を運用する能力のない一般住宅需要者にとって、資金を住宅を買う形で固定する方が有利です。住宅を供給する企業は資金の廻転に、需要者は資金の固定に利益を見出すといえます。
住宅を購入するものの多くは自己資金では不足して、多額の借入を行なって入手します。住宅ローンはこの形式が市場化した場合です。この場合は、住宅需要者にとって、一部は自己資金の固定を、一部は資金の廻転を意味するので、全額を自己資金で固定させる場合に比較し、不利の取得方法であると考えられています。この廻転に相当する借入金の償還は、サラリーマンの場合には賃金取入の大きな割当を当てて行なわれます。
大部分の不動産業者に対して決定的に分譲形式を余儀なくする事情として、資金の相当部分を比較的短期の借入金に依存している点をあげなければなりません。売らなければ借入金の返済ができないのです。以上を要約すれば、賃貸マンションの需要層が狭く限定されている上に、自己資金であれ借入金であれ購入資金を入手できる需要者層にとって、買う方が有利であり、供給者たる不動産業者にとっても売る方が有利であるといったとです。
資金の入手が不可能なものは、将来もかなり長期にわたり、木造の借家、特に低所得者層は木賃アパートヘの入居を奈儀なくされます。この居住条件は一般所得水準の上昇とともに改善されますが、このような住居形式はかなり長期にわたり存在の基礎を持つといわなければなりません。

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