要綱行政の長所短所

要綱行政の長所については、指導要綱が国民の権利に対し少なくとも直接の法的強制力をもつものではない、ということから、数々の法的拘束を免れ、柔軟かつ実効的な行政手投として機能しうる、ということに要約されます。しかし、この長所はまた、要綱行政の短所ともなります。つまり第一に、要綱が直接の法的強制力をもつものでない、ということは、その実効性を法的に担保する手段が存しない、ということでもあり、それにもかかわらず、事実上の実効性保障を、たとえば行政サービスの拒否というような行政上の処理で行なおうとすれば、法治主義の見地から、後にみるような重大な問題が生ずることとなります。第二に、要綱が条例の場合にみられるような法的拘束を免れる、ということは、他面で、国会の法律とか議会の条例、決議という、民主的チェックを免れる、ということをも意味します。そして、要綱の作成過程においても、必ずしも住民等の参与の機会が保障されていないとすれば、民主的コントロールの欠落ないし不充分、という難点は、より大きなものとなります。第三に、以上とも関連して、要綱行政が機動性ある実効的な行政手段である、ということについては、現実に実効性があればあるほど、そのような作用が、直接の法的効果をもたない、という理由のみで、法的制約、充分な民主的コントロールのなきままに行なわれてよいかという問題となります。

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指導要綱行政の特徴はこのように、伝統的な法律による行政の原理の拘束を免れ、現代行政に課せられた任務を有効に果たしうるように、行政の自由な展開を図るものであるところに存在します。そこで、間題となるのは、いうまでもなく、一般に法治主義の見地よりして、このような要綱行政の実態が承認されるか否か、ということです。この問題はとりわけ、要綱違背の行動に対する制裁措置としてしばしば行なわれる水の供給拒否を中心として、徒来議論されてきました。地方公共団体による水の供給は、現代社会においては、住民の生存のための不可欠の前提案件となっており、それ故に、法律上も、水の供給は正当の理由がなければこれを拒んではならないと定められています。そこで、前述にみたように要綱行政の一環として、指導要綱ないし協定に違反した者に対して行なわれる給水拒否が、はたして水道法の目的に照らし、ここでいう正当の理由に該当するものとして認められるか否かが問題となります。この点については従来様々の争いがありましたが、東京地裁八王子支部が、指導要綱に違反したという事実のみをもってしては直ちに水道法一五条の正当の理由に該当するということはできないが、具体的事情によっては、マンション建設業者の指導要網違反の建築行為が、権利の濫用に該当するものとして給水拒否が認められる場合もあるとの判断を行ない伝統的な法律による行政の原理の枠を維持しながらも、指導要綱に一定の法的意味を認める可能性を示すものとして注目を集めました。

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指導要綱行政の由来/ 要綱行政の長所短所/ 土地にかかわる災害防止法制/ 白地地域における開発規制/ 土地取引の規制/ 宅地開発と環境破壊/ 地盤沈下や土壌汚染の防止/ 開発協定にもとづく開発負担金/ 公共事業に伴う事業損失/ 収用委員会の補償金額への不服/ 区画整理事業計画への取消訴訟/ 公有水面埋立てによる不利益/ 宅地造成等規制法による規制/

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