白地地域における開発規制

無秩序な市街地の開発に伴う都市行政のあり方が問題とされた当初では、違法建築物にいかに対処すべきがが問題とされてきました。その頃から、合理的土地利用計画を策定することの必要性が説かれ、これに不適合な建築物については、電気、ガス、水等のサービス提供を拒む立法措置を講ずべきことも提唱されていました。しかし、合理的土地利用計画とは何かという問題については、国土利用計画法の制定にいたるまで、論点が煮つめられないままに事態は推移し、その間に、大規模宅地開発に伴って、公共、公益施設の整備を追られた地方公共団体は、一種の自衛策として宅地開発指導要綱を作成し、これによって、行政責任のミュマムを達成しようとしました。その後に産業公害に端を発した我々生活環境の悪化に対する厳しい批判は、やがては、日照権問題についても、この指導要綱方式を採用せしめるとともに、他方では、自然環境、文化環境を保全することの重要性をも意識しはじめ、多くの自然保護あるいは環境保全条例を制定しました。さらに、土地取引の規制をも含む総合的な土地対策にかかる指導要綱、条例の類をも多く生じるに至りました。

スポンサード リンク
間取り

地方公共団体の土地対策には、自然保護条例という形において、都道府県自然環境保全地域以外の地域における大規模開発を規制しているもの、ゴルフ場、宅地開発など特定事項について規定しているもの、一般的な土地利用規制条例という形をとっているものの三種類がみられますが、特に注目されていたのは、岡山県県土保全条例と沖繩県県土保全条例との二つです。岡山県の条例について、検討しておくと、同条例は安全で良好な地域環境を確保することが、地域における現在および将来の住民の生命、健康および財産を保護するため、ひいては県土の秩序ある発展を図るため欠くことのできない条件であることにかんがみ、開発行為の許可基準その他開発の適正化に関し必要な事項を定めて県土の無秩序な開発を防止し、もって、県民の福祉に寄与することを目的としており、そのために、一方では、一万平方メートル以上の一団の土地の開発行為については知事の許可をうけなければならず、知事は、学識経験者によって構成される県土地開発審査会の意見を聞き、当該許可申請が、主として、災害の防止、交通の安全等の見地から定められた許可基準に適合しているかどうかを判断するものとし、他方では、一○万平方メートル以上の土地、それ以下の規模のものは、市町村の自主的な措置に委ねる趣旨だと説かれており、開発行為をしようとする事業主は、当該土地の所有権を取得する契約の締結前に、当該土地の所在する市町村長の意見を付して、知事と事前協議しなければならず、これは、事前協議方式による一種の土地取引の規制です。その場合、知事は、開発許可をうけようとする事業主と関係市町村との間において、開発協定を締結することを要請するものとしています。
開発協定においては、公共、公益施設の整備および管理ならびにその費用負担、文化財、自然環境の保護に関する事項、災害、公害の防止措置、関発協定不履行の場合の措置など、主として、より良好な地域環境を確保するのに必要な事項がとりあげられることになっていますが、その他、同条例は、工事の検査工事の停止、原状回復などの監督処分などについても規定しています。そして、都市計画法、宅地造成等現制法、砂防法、地滑り防止法、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律、採石法、砂利採取法など、国家法による規制対象とされている行為や、農林漁業の用に供する目的で行なう行為、国・地方公共団体等の行なう行為が適用除外とされています。このようにみてくると、県土保全条例では、開発許可制が採用され、違反行為は処罰するとされていますが、それは、いわゆる白地地域における規制についてであって、環境保全の見地からする規制については、行政指導、行政契約という手法について、これを条例化し、その根拠をより明確ならしめているということが判明するのです。それというのも、条例制定権の範囲については、憲法二九条二項、九四条、地方自治法二条三項一八号一九号、一四条一項等との関係における未解決の問題があり、また憲法二九条三項との関連では、補償の要否および具体的な補償の算定基準いかんという、学説、判例のみならず、実務上も固っていない問題があったためだと思われます。この種の条例は、県下の乱開発、土地投機を抑制しなければならないという地域の実情にもとづいて制定されたもので制定されたものですが、一方における経済界の不況、他方における国土利用計画法の実施、土地税制の強化等の要因が重なり、その後は、これらの施策等は、それほど注目されることなく今日に至っています。

間取り
指導要綱行政の由来/ 要綱行政の長所短所/ 土地にかかわる災害防止法制/ 白地地域における開発規制/ 土地取引の規制/ 宅地開発と環境破壊/ 地盤沈下や土壌汚染の防止/ 開発協定にもとづく開発負担金/ 公共事業に伴う事業損失/ 収用委員会の補償金額への不服/ 区画整理事業計画への取消訴訟/ 公有水面埋立てによる不利益/ 宅地造成等規制法による規制/

       copyrght(c).間取りガイドドットコム.all rights reserved

スポンサード リンク

プライバシーポリシー