土地取引の規制

国土利用計画法は、地価の上昇、全国に及んだ投機的土地取引の抑制をはかるため、議員提案により立法され、昭和四九年一二月に施行されたものですが、同法による土地取引規制は、規制区域における許可制、および全国に及ぶ届出、勧告制より成り立っています。都道府県知事は、都市計画区域内においては、土地の投機的取引が相当範囲にわたり集中して行なわれまたは行なわれるおそれがあり、および地価が急激に上昇しまたは上昇するおそれがあると認められる場合、都市計画区域外においては、さらにその事態を緊急に除去しなければ適正かつ合理的な土地利用の確保が著しく困難になると認められる場合、区域および期間をかぎって規制区域を指定するものとされています。指定期間は五年以内とされていますが、必要があると認められる場合には再指定をすることができます。逆に指定期間内であっても指定の事由がなくなっていると認められる場合には、指定の解除が行なわれます。

スポンサード リンク
間取り

許可を要する土地取引、規制区域内に存する土地に関する所有権、地上権もしくは賃借権、またはこれらの権利の取得を目的とする権利を、対価を得て、移転または設定する契約を締結しようとする者は、市町村長を経由して都道府県知事に許可の申請を行ない、その許可をうけなければなりません。対価とは、必ずしも金銭にかぎらず、一般的に金銭に換算しうる経済的価値を広く包括するものをいいます。借地権の設定における対価とは、権利金その他の一時金をいい、年々または月々の地代、賃料等はこれに該当しません。
相続、法人の合併等の包括承継、収用、時効等の原始取得、予約完結権等の形成権の行使、土地区画整理法の換地処分等は契約によるものではなく許可を要しません。ただし、予約完結権の譲渡、代物弁済予約、譲渡担保契約、土地区画整理の保留地処分、いわゆる仮換地の売買については許可を要するものです。また、土地売買等の予約については、いわゆる手付金の交付はその性格は様々ですが、少なくとも契約の成立を前提とするものであるために、当事者間における形式的な文書の有無を問わず許可を要します。
民事調停法による調停、民事訴訟法による和解、商法による特別清算手続等裁判所の許可を得て行なわれる土地取引、土地収用法による和解、農地法三条の許可を得て行なわれる土地取引等については、手続の特殊性、他の機関の機能との調整あるいは実質的に法の趣旨を充足しうる等の理由により、適用除外とされています。
許可をうけないで締結した土地売買等の契約は、その効力を生じません。農地法の農地転用許可は権利移転の効力要件であると解されており、その点において国土利用計画法の土地取引の許可とは著しくその性格を異にするものです。また、許可をうけないで土地売買等の契約を締結した者は、三年以下の懲役または一○○万円以下の罰金に処せられます。その代表する法人等に対しても、両罰規定の適用があります。
土地売買等の契約の予定対価は、規制区域の指定時における、地価公示法にもとづく公示価格または都道府県知事の定める基準地の標準価格等を規準として算定した当該土地に関する権利の相当な価格に、当該許可申請時までの物備変動に応じる修正率を乗じて得た額に照らし、適正を欠くものであってはなりません。
許可を要する土地売買等の契約に係る土地の利用目的は、自己の居住の用に供すること、または収用適格事業の用に供する等不要不急のものではないこと、土地利用基本計画その他の土地利用に関する計画に適合するものであること、道路、学校その他の公共公益的施設の整備予定からみて明らかに支障がなく、自然環境の保全上も明らかに問題のないものでなければなりません。つまり将来における線引き変更や大規模プロジェクトの実施をみこした土地の思惑買等が大幅に制約されているのです。
許可または不許可の処分は、申請の日から六週間以内に行なわれなければならず、当該期間内に処分が行なわれないときは、許可があったものとみなされます。土地売買等の契約の締結が不許可となった場合には、所有者等は都道府県知事に対し、当該土地の買取りを請求することができ、都道府県知事は規制価格で買い取ることとされています。また、各都道府県の土地利用審査会に対して、審査請求をすることができるとされておりこの裁決を経たのちでなければ訴訟を提起することはできません。
規制区域以外の全国の地域において、一定規模以上の一団の土地について土地売買等の契約を締結しようとする者は、市町村長を経由して都道府県知事または指定都市の長に届け出なければならず、届出後六週間は契約を締結してはなりません。ただし、行政実例により、六週間以内であっても、都道府県知事等が後述の勧告をしない旨の通知を行なった場合には契約を縮結してさしつかえないこととされています。
届出を要する一団の土地とは、相互に連接するひとまとまりの土地として物理的一体性を有するものをいいますが、現に分譲しようとする土地が法定面積未満であっても、次期分譲予定等を含めた分譲地全体が一団地として取り扱われます。一連の事業計画の下に用地取得を行なう場合等についても同様です。
届け出られた土地売買等の契約の予定対価の額が、公示価格または標準価格等を基準として算定した当該土地に関する権利の相当な価格に照らして著しく適正を欠く場合、または当該土地の利用目的が土地利用基本計画その他の土地利用に関する計画に適合しない場合等であって、当該土地を含む周辺地域の適正かつ合理的な土地利用を図るために著しい支障があると認めるときは、都道府県知事等は、土地利用審査会の意見をきいて、予定対価の引下げ、利用目的の変更、当該取引の中止等を勧告することができます。
契約の当事者が勧告に従わないときは、都道府県知事等は、その旨および勧告の内容を公表することができるとされています。これは、規制区域における許可制のように直接契約の効力に影響を及ぼすことができるものとは異なり、勧告が行政指導として行なわれ法律的な強割力を有しないものであるために、公表という社会的制裁を加えることによって勧告内容の実現を担保しようとしたものです。なお、届出をしないで土地売買等の契約を締結した者は、六月以下の懲役または三○万円以下の罰金に処せられるほか、法人等に対しては、両罰規定の適用があります。
届出を要する土地取引のうち、宅地分譲について面積五○○平方メートル以下の区画毎に土地取引を行なう場合、およびマンション分譲のように土地取引が建物の区分所有権の移転とあわせて行なわれ、かつ、土地に関する権利が建物の区分所有権者の共有または準共有となる場合において、土地を分譲しようとする者の申請にもとづき、都道府県知事等が予定対価の額が勧告基準に該当しないものであることを確認したときは、譲受人の確定を待ってあらためて契約の両当事者が届出をすることを要しません。なお、確認には地価の動向等を勘案しおおむね六か月を目安として有効期間を付すことができるとされていますが、この期間経過後に再度確認を得ることなく土地取引を行なった場合には無届出取引となり罰則 の適用があります。

間取り
指導要綱行政の由来/ 要綱行政の長所短所/ 土地にかかわる災害防止法制/ 白地地域における開発規制/ 土地取引の規制/ 宅地開発と環境破壊/ 地盤沈下や土壌汚染の防止/ 開発協定にもとづく開発負担金/ 公共事業に伴う事業損失/ 収用委員会の補償金額への不服/ 区画整理事業計画への取消訴訟/ 公有水面埋立てによる不利益/ 宅地造成等規制法による規制/

       copyrght(c).間取りガイドドットコム.all rights reserved

スポンサード リンク

プライバシーポリシー