開発協定にもとづく開発負担金

昭和三○年を境にして、地域構造の変化に伴い、土地利用問題が深刻になってきました。土地利用問題は、日本列島改造論等と絡みあいながら、利害関係が錯綜し、これに対処する適切な立法がなされてきませんでした。そこで住民と直結する地方自治体は、これを放置することができず、土地対策要綱等を作成し、これを取り組みはじめました。開発負担金は要綱の実効性を確保するために考案されたものであり、かつそれは、今日の宅地開発が、行財政制度の不備を反映して、自治体の財政負担能力をこえたところで進行していることに鑑みて生み出されたものす。

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要綱の規制の内容、効果の担保手段、方法は、それぞれ異なっているので、これにもとづく開発協定がどのような法的性質をもつかについては、個別に検討を要します。要綱の法的根拠では、通常それは、法令あるいは条例の委任によるものでも、またそれらの施行細則でもありません。故に要綱の実施形態は、行政客体の同意、協力などの形で行政目的を実現して行く、行政指導に類すると思われます。
第二に、要網は、地方自治体が強制的に視制を行なうための法的根拠にならないために、それにもとづいて取りかわされる開発協定ないし覚書は、一種の契約とみなされる。開発協定が契約とみなされるならば、これをいかに解すべきか。この契約の当事者は、一方で地方自治体であり、他方で事業者です。次に、これが私法上の契約であるとするならば、強行規定等を除いて契約の自由が認められます。しかしこの見解については、地域住民の生活権に係る公共、公益施設に関する問題を、単純に私法契約として構成していいかどうか、また、そうした構成が、要綱作成過程等に住民参加を組み込むための阻害要因になっていないかとの疑問が出されています。さらに、これを行政契約とするならば、二つに大別できます。一つは、行政契約の成立のために、法律が特に明示的に認めた場合にかぎるという見解であり、二つには、明示の法律的根拠を要しないという見解です。前者の立場は、開発協定の性質からいってとれません。後者の場合は、この協定が憲法原則や法規と接触しない限度において成り立ちます。こう解されるならば、開発協定は、公益の実現を意図するものであることが明確になり、そこに住民参加も組み込むことができ、かつ、事業者の意思も尊重され、故に裁判上、その履行の強制が可能になるようにみえます。
開発負担金とは開発協定にもとづいて、地方自治体が事業者に道路下水道等の公共施設の管埋のための全部または一部の費用、その他の費用を負担させることです。開発負担金の法的性質をみる場合、これと類似の用語が使用されているので、それらの概略をつかんでおくことが便利です。
宅地開発税は、市町村が、宅地開発に伴い必要となります。道路、水路、その他の公共施設の整備に要する費用にあてるため、都市計画法に規定する市街化区域のうち、当該市町村の条例で定める区域内で、権原にもとづき宅地開発を行なう者に対して、当該宅地開発に係る宅地の面積を課税標準として課する目的税であり、かつ一回かぎりの行為税です。つまり、宅地開発税は、市町村が、宅地開発に伴って必要となる公共施設の整備を図り、その財源の一部を強制徴収するために、租税化されたものです。
次に、法律や条例にもとづく負担金があり、これは、国または地方公共団体が実施する事業の経費にあてるため、当該事業と特別の関係にある者に課せられる金銭給付義務です。この種の負担金は数多く存在しますが、内容からみて、受益者負担金、原因者負担金、損傷者負担金の三つに分けられます。この種の負担金は、金銭給付義務である点において、租税、使用料、手数料と性質が同じです。これらに対して、開発協定による開発負担金は、法律や条例によらない、宅地開発要綱等に定められているものであり、したがってこれは、目的税である宅地開発税とも、また前述にみた法律や条例を根拠とする金銭給付義務たる各種負担金とも、その法的性質を異にします。開発負担金は、宅地開発税とその内容において類似しています。宅地開発税は、税率その他の面で制約が多いので、地方自治体は、開発要綱を通じて宅地開発に伴う財政負担の軽滅をはかるために、事業者と話し合う形で、開発負担金を徴収しているのが実情のようです。

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指導要綱行政の由来/ 要綱行政の長所短所/ 土地にかかわる災害防止法制/ 白地地域における開発規制/ 土地取引の規制/ 宅地開発と環境破壊/ 地盤沈下や土壌汚染の防止/ 開発協定にもとづく開発負担金/ 公共事業に伴う事業損失/ 収用委員会の補償金額への不服/ 区画整理事業計画への取消訴訟/ 公有水面埋立てによる不利益/ 宅地造成等規制法による規制/

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