造成前のときは前金保証書をもらう

宅建業法では、業者が宅地造成工事の完了前に売ろうとするときは、前金保全措置を講じなければ買主から前金を受領することは禁じられています。この場合の前金というのは法律上は契約締結後、目的物引渡までの間に買主より売主に支払われる金銭で、将来売買代金に充当されるものであれば、手付金、内金等名目のいかんを問わず、すべて含まれます。これは、買主が目的物の完全な取得前に金銭を支払うことによりもろもろの不利益をこうむることのないようにもうけられた制度ですので、その授受される金銭の名目が、買受保証金といったように、法律上は当然には売買代金に充当されるものではなくても、客観的にみて将来代金に充当されることが明らかなものは前金に当たるとみるべきでしょう。
このように、目的物を引き渡し、売主の義務を果たすまでは前金を受領することは原則として禁止されていますが、売主が前金保全措置を講ずる場合は前金の授受が許されます。この前金保全措置というのは、将来買主が前金の返還を売主に請求しうる場合、この売主の返還債務を保証するための制度のことで、方法としては二通りあります。その一つは銀行・信託会社・信用会席・農林中央金庫・商工組合中央金庫・労働金庫・出資総額五千万円以上の信用協同組合、その他国土交通大臣が指定する者が売主の前金返還債務を連帯して保証する方法で、他の一つは、買主の前金返還債務を保証する保証保険をかける方法です。売主は前者の連帯保証を受けるために法定の保証機関との間で保証委託契約を結び、買主のために保証を引き受けてもらうか、保険会社と後者の保証保険契約を結ぶか、いずれかの方法を講じなければなりません。そして、売主はたんにこれらの契約を結んでおくだけでなく保証機関が発行する前金返還債務を連帯保証する旨の約定を記載した書面か、保険会社の発行する保険証券またはこれにかわる書面を前金受領までに買主に交付しなければならないものとされています。
以上のようなわけで、買主としては、宅地造成完了前に前金を支払う場合には、この前金保証書が当然に交付されるはずですし、交付されないときは前金保証書が交付されるまでは前金の支払いを拒絶することができます。契約のうえで前金を支払うことが約されている場合であっても、売主からの前金保証書の交付がないため前金支払いを拒絶した場合は、買主は契約不順行の責任を負わなくてもよいことになっています。

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前金保証があれば、買主はなんらかの理由で前金の返還を請求しうるときは売主に請求することができますが、前金保証をした保証機関または保険会社に請求することもできます。この保証機関は信用できる機関ですから、買主の前金返還請求権は強い担保があるわけで安心です。しかし、これら保証の実行には前金保証書が必要ですから必ず前金保証書をもらいましょう。
ただ注意しなければならないのは、この保証は目的物の引渡までしか効力がなく、目的物の引渡を受けてしまってからは、保証機関に保証は求められません。また、保証されるのは前金返還請求権だけで、出来上がり宅地が計画と相違していたことや、造成工事の遅れによる引渡の遅れなどのための損害賠償請求権にはおよびませんので注意を要します。結局は、売買契約を解除し、支払った前金を返還させる場合の救済方法といえましょう。
建築協定というのは、市町村の条例で定められた一定の区域内で、土地所有者や借地権者が、その区域内の環境を維持するために、建築物の敷地、位置、構造、用途、形態、意匠または建築設備に関する基準を協定し、市町村長の認可を受けて、その区域内では協定成立当時はもちろん、その後に権利を取得した者にも基準をまもることを強制しうる制度です。この基準は、建築基準法で定める制限を緩和するものであってはいけません。したがって、建築基準法の制限よりきびしいか、同法で制限されていない事項について新たな基準をもうけるものになります。
すでに住宅街あるいは商店街として形成されている区域で、後から建築協定を結ぼうとしても、所有者、借地権者などその区域内の居住者の利害はなかなか調整しにくいので、建築協定が成立することはほとんどありませんが、最近では分譲地の売出し前に建築協定を成立させておいて、この建築協 定つきの分譲地を売り出す場合があります。分譲地のイメージを高めるためや、環境を将来にわたって保持しようとするためです。
このように、建築協定は環境を維持するためのものであり、しかも行政庁の認可を受けるのですから、利点のある制度といえるわけですが、土地の利用についてかなり厳しい制限が加えられることでもあり、現実にもかなり細かい点まで規制を加える例が多いようですので、土地をこれから買おうとする場合にははたして自分の希望に合致するか、この協定の内容を事前に十分検討する必要があります。前述のとおり協定後に土地の権利を取得した者にも、その拘束力がおよびますから「重要事項説明書」にも必ずこの協定のことは記載されています。

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