契約書作成の注意点

請負契約は、口頭でも有効に成立しますが、後日の紛争を避けるために契約書を作成すべきです。建設業法では、その主な事項については、書面で明らかにすることになっています。ふつうは印刷された契約書に印を押すやり方が行なわれていますが、その条項を一つ一つよく確認しましょう。
(1) 請負代金に関する条項
 代金の支払いは、民法上は後払いとなっていますが、ふつうは契約時、上棟時、完成引渡時に各々三分の一程度支払うのが多いようです。いずれにせよ約束した以上その日に払わなければならないのは当然です。
資金計画に合わせて(銀行から融資を受けるときは、銀行に確認して)その支払時期、金額をきめなければなりません。
(2) 請負契約の履行に関する条項
建設業法では、建主が前金払いをするときには、施工業者に「金銭保証人」か「工事完成保証人」のいずれか、または両者あわせてたてるように請求することができるとしています。この「金銭保証人」というのは、施工業者が、工事を完成させなかった場合はもちろん、その他債務 不履行があった場合に、建主に支払うべき損害賠償金、遅延利息、違約金などの金銭支払いの責任を負う保証人です。未成年者や、禁治産者、準禁治産者は保証人となることはできませんし、弁済の資力のある者でなければなりません。この点十分調査する必要があります。
この保証人をたてるときには、保証人本人から契約書に署名捺印をしてもらわなければなりませんが、この場合たんなる保証人でなく、「連帯保証人」になってもらったほうがよいでしょう。
「工事完成保証人」は、万一施工業者が工事を完成してくれない揚合でも、かわって工事を完成することを保証する他の建設業者のことをいいます。
一般になじみがないためかほとんど利用されていないのが実状です。

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(3) 工事の施工に関する条項
工事の過程で手抜きはないか仕様どおりの工事が行なわれているか、工 程の良否を判定するのが設計監理技師です。監理技師は、建主にかわって設計図面、見積書、契約書などの書類を点検し、このとおりに建物が完成するかどうかの監督、監視をします。契約を締結する際には、監理技師および現場代理人の職務権限を明記させ、工事関係者について、建主が異議のある場合の処理を明らかにしておくとよいでしょう。
(4) 損害等の負担に関する条項
最近は、日照、騒音など工事に際しての近隣との紛争が少なくありません。そこでこれらの損害防止のための施設設置などは、施工業者にあることを明記し、第三者への損害の責任を誰がとるのか、あるいは負担関係をどうするのかを明確にしておくべきでしょう。
(5) 違約金に関する条項
工期までに建築が完成しないときには施工業者は一日にいくらの割合による違約金を払うといったように、当事者双方が契約に違反したときの違約金の定め応明確にしておきましょう。
(6) 施工業者の担保責任に関する条項
工事が契約で定められた内容どおりに行なわれないで、なんらかの欠陥(瑕疵)があったときには、施工業者は、この欠陥について責任を負わなければなりません。これを「請負人の瑕疵担保責任」といいますが、民法では、建主に契約の解除権および損害賠償請求権しかみとめていませんので、契約でこの点についての取りきめをするのがふつうです。
(7) 追加、変更工事に関する条項
建物がだんだんでき上がっていくと、どうしても当初の契約より追加、変更をしがちなものです。当初の契約内容を変更するには、施工者の同意が必要ですが、施工業者としては、代金さえ払ってくれれば、と比較的容易にみとめがちです。そのためにこの追加、変更工事を安易に考え、現揚で思いつくままに頼むと後で莫大な工事代金を請求されることになります。当初契約でこの追加、変更工事についての取りきめをしておくことが望ましいのですが、追加、変更工事をするときにはそのつど十分に費用などを確認して行ない、場合によっては、その点の追加見積書をとって十分検討したうえで頼む配慮も必要でしょう。
(8) 物価スライド条項
最近のような経済情勢では契約後に建築資材が急騰するといったことも考えられます。この場合、当事者が、これを理由として契約内容を変更したり、契約を解除したりすることができ るかといった点も、契約上明確にしておくことも必要でしょう。いったん契約が有効に成立した以上は、たとえ当事者の一方に不利益な事態が発生したとしても、その人は契約に定められたとおりの履行をしなければならないのが民法上の原則です。しかし、契約は、契約締結の際の事情がそのまま存続するかぎり効力があるのであって、まったく予想できなかった事情の変化が生じた場合には、効力を失うということも考えるべきです。そこで前述の原則に対する例外としてみとめられているのが「事情変更の原則」です。
この「事情変更の原則」の適用がある揚合には、当事者の一方に契約内容を修正する権利がみとめられるのですが、これはあくまで例外的なことで、その適用は厳しくなっています。 もっともこの契約の解除がみとめられるのは建築資材の高騰がきわめていちじるしく、当初の請負金額で仕事の完成を強制するのが、信義公平に反する場合にかぎられます。
(9) 不可抗力による損害の負担に関する条項
建物の建築途中で、なんらかの理由で滅失、毀損してしまうことも考えられます。その滅失などが施工業者または建主の責めに帰すべき事由で生じたときは、施工業者の場合は、契約不履行の責任を負いますし、建主の場合には、工事代金を払うほかその増額分を支払わなければならないことになります。そのいずれの責めにも帰さない台風や類焼など不可抗力による場合でも、理論上は施工業者は建築をやり直して完成させなければなりませんし、代金の増額も請求できないと考えられています。こうなっては施工業者の負担が重すぎるといったことから、契約でこの点についての適正な負担をきめるための特約が結ばれるのがふつうです。
(10) 紛争解決に関する条項
建築工事について、後日建主と施工業者間に紛争が生じることも少なくありません。こんなときのために紛争解決に関する条項を契約書に明記しておくことも必要でしょう。
ふつうは国土交通省にもうけられた中央建設工事紛争審査会、または各都道府県にもうけられた建設工事紛争審査会に、斡旋、調停および仲裁を依頼する方法が行なわれています。

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