マンションの担保責任とアフターサービスの条項

マンションの売買契約書には、「契約書記載の専有部分の床面積が登記簿記載のそれと相違しても、当事者は互いに売買代金の増減を請求しないものとする」という条項があるのがよくありますが、この条項の適用が問題になるのは、次の二つです。
一つは、専有面積の計算方法の違いによるものです。専有部分の床面積の計算方法には、壁心計算と内法計算があり、登記実務では内法計算が採用されていますが、契約書では壁心計算が使われている場合が少なくありません。そのような場合は、たんなる計算方法の違いにすぎず、契約書記載の床面積から登記簿記載の床面積を差し引いた分(登記されない床面積)が専有部分の売買床面積に合まれていることには変わりありません。つまり、数量が不足しているわけではないので、買主は売主に対し数量不足を理由に代金減額請求をすることはできません。この場合は前記契約条項は、そのことを確認する趣旨のものということになります。買主としては、売買契約書に記載されている専有部分の床面積が壁心計算なのか内法計算なのかよく確かめることが大切なわけです。
もう一つは、専有面積が契約書と実際とで相違する場合です。実際の床面積が契約書記載の床面積よりも少ない場合は、数量不足に当たりますから、買主は売主に対してそのことを理由に代金減額請求ができるはずですが、前記のような契約条項があれば売主の責任を免除する特約をしたということになります。したがって、買主は床面積不足について売主の責任を問うことはできません。もっとも、売主が専有部分の床面積の不足を知りながら買主に告げなかったような場合には、そのような特約があっても、売主は責任を免れることはできないことになっています。マンションを買うときは、売買契約書でそのような売主の責任免除の特約があるかどうかをよく確かめることが必要です。

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間取り

マンションの売買契約には、「建物など隠れた瑕疵がある場合、売主は引渡の日より二年間その責を負うものとする。アフターサービスについては別途定める」という条項がある場合が多いようです。マンションでは、専有部分、共用部分の諸設備が互いに物理的にも機能的にも一体をなしていて、建物本体と付帯設備との区別がつきにくいので、それらに欠陥、故障がありますと、建売住宅以上にやっかいです。ですから売主が責任を負う対象物件、アフターサービスをする対象物件を具体的によく確かめ、その責任の期間、アフターサービスの期間をはっきりさせることが大切です。
未完成建物の売買の場合は、モデルルームやパンフレットを見て売買契約を結ぶほかありませんが、マンションが完成して引渡を受け入居してみると、専有部分の床面積がモデルルームよりせまかったり、材質、建具などが粗悪であったり、バルコニーの方角が追ってしまったりということがよくあります。問題なのは、この場合、買主が売主に対してどのような責任を追及できるかということですが、問題の中心は、完成した実物がモデルルームやパンフレットと品質的に違いがあってはいけないかどうかということです。モデルルームやパンフレットは販売促進手段としての広告であるとともに売買契約締結の資料でもあって、前者には契約申込みの誘引、後者には見本売買における見本、説明売買における説明としての性質があります。そこで、次にこの二つの面から検討してみましょう。
申込みの誘引というのは、相手方に契約の申込みをさせようとする行為であって、申込みではなく、そこでの表示内容が当然に契約内容となるわけではありません。この意味では、目的物件が広告どおりであるということは契約上保証されていないので、広告と違うこともありうるわけです。ただ、その違いが著しい場合には、不当表示、誇大広告として取締りの対象となり、また、買主が売主に騙されたというのであれば、詐欺に該当しますから、そのことを理由に売買契約を取り消し、目的物件の返還と引替え に売買代金の返還を請求することができます。また、はじめからそのような違いがあることがわかっていれば売買契約を結ぶはずはなかったというのであれば、買主は売主に対し売買契約の無効を主張して目的物件の返還と引き替えに売買代金の返還を請求することができます。
売買契約を結ぶに当たりモデルルームを展示し、パンフレットを配布するのは、実物がまだないのでそれにかわるものとして展示、配布するのですから、これは目的物件の見本であり説明にあたりそのとおりの品質を保証する趣旨だと考えることもできます。つまり、この考え方では、モデルルームやパンフレットは売買契約書とともに売買契約の内容をなすものということになります。したがって、目的物件が見本、説明どおりでない場合には、契約できめられた物件でないということになり、故意過失の有無にかかわりなくそのことについての売主の責任を追及できることになります。
従来は、前者の考え方からモデルルームやパンフレットと実物との品質的違いは著しくないかぎり契約違反にならないと考えられていましたが、最近は、分譲マンションの広告は正しく事実を表わしていなければならないと考えられ、後者の考え方がとられるようになってきています。ですから、モデルルームやパンフレットと実物との品質的違いはたとえ著しくなくても許されないと考えるべきでしょう。

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