違反建築に対する処置

違反建築を防ぐために、建築基準法では建築主に対して、その建築計画が法令に適合しているかどうか、建築主事の確認を受けることを義務づけていますが、確認された建築計画と異なる建物が建つことを防ぐために、建築士による工事監理、建築主事による竣工検査などの制度、特定行政庁による工事停止や除却命今の制度などを定めています。その他にも、行政代執行法による強制撤去の制度があり、特殊な場合としては、建築主事が法適合性の判断を誤ったときに、建築主事の判断が違法かどうかを争う行政訴訟も違法是正の制度の一つです。

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建築確認を受けると建物の工事が始まりますが、鉄骨やコンクリート造の建物で、延べ面積が30平米を超える場合や、木造建物でも、延べ面積が100平米を超える場合などは、設計や工事監理は建築士でなければできません。工事監理とは、建築工事に際し、設計図書と照合して、設計図書どおりに工事を実施するよう確認することで、建築士の責任とされています。この責任を怠ると建築士は、戒告もしくは業務停止、免許取消などの処分を受け、その建築士が所属する事務所の開鎖などを命ぜられることがあります。業務停止命令を無視する者や、資格なくして設計または工事監理を行った者は、一年以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられます。
建築工事が完了すると、建築主は4日以内に工事完了届を建築主事に提出します。建築主事は、届出受理から7日以内に完成した建物が法令に適合するかどうかを検査します。この検査に合格すると、検査済証が交付されます。
違反が発見された場合、これに対して、工事停止や、建物除却を命じるのは、建築主事ではなく特定行政庁になります。命令の内容は、違反の程度や内容に応じて多種多様であり、違反を是正するために必要な措置を命じることができます。法文には、工事の施工の停止、建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限などが例示されています。
是正命令を出す場合、特定行政庁は、あらかじめ、違反者に対して、通知書を出します。違反を指摘された者は、通知を受けとった日から3日以内であれば、公開聴聞を請求できます。この請求があると、特定行政庁は必ず公開聴聞を行わなければなりません。公開聴聞では、違反を指摘された者の意見を聴取し、証人や証拠書類の取調べも行われます。しかし、緊急の必要がある場合は、これらの手続によらず、建築物について、仮の使用禁止や使用制限を命じることができます。この仮の命今を受けた者が、聴聞手続の請求をする場合は、命令を受けた日から3日以内にしなければなりません。さらに、違反であることが明らな工事中の建築物については、これらの手続を経ないで、工事の施工停止を命じることもできます。聴聞の申出がない場合や、聴聞手続を経て是正措置が必要とされた場合は、違反者がとるべき措置を具体的に指摘して、是正命令が出されます。
違反者が是正命令を守らないときは、特定行政庁が自ら是正措置を実行し、または第三者に行わせることができます。これを行政代執行といい、行政代執行法が定める手続にしたがって実行します。しかし、行政代執行は、他の方法をとることが困難で、その違反建築物を放置することが著しく公益に反するときに、実施されるものであり、手続上もまず一定の期限内に自分で違反を解消するよう戒告すると共に、代執行を予告し、期限内に是正されない場合に、はじめて代執行の時期や費用を記載した、代執行令書を送付するなど、代執行の実施までには、慎重な手順を踏むことが要求されます。とりわけ、放置することが著しく公益に反する場合にのみ許される方法であるために、実際には、特定行政庁が代執行を行う例は多くはなく、特定行政庁の伝家の宝刀ともいうべき制度です。
法令の規制に違反する建築物を、建築主事がうっかり見逃したり、決令の解釈を誤って建築確認を認めた場合、建築確認を取り消す手続も定められています。建築確認などの建築基準法上の処分の取消しには、まず、市町村または都道府県の建築審査会による審査が必要です。この審査の結果、審査会がした裁決に不服がある場合は、行政訴訟を起こすことができます。この場合、不服申立を許される期間が短かく、専門家でもうっかり徒過してしまうことがあり、注意が必要です。

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