指導要綱

土地開発や建築については、都市全体の環境を保全する観点から、都市計画法や建築基準法などによって規制していますが、土地開発や高層建築が近年、急激に増加してきた都市では、将来にわたり、都市に空間を残して日光と緑を保全し、給排水設備を整え河川や海の汚れを防ぎ、あるいは道路や学校など人口増加に伴う公共施設の用地を確保することが、急務となっています。しかし、国の法律の規則では、今の状況に抑応した十分な対処ができず、都道府県や市町村の条例は、法律の範囲内でしか規制できないために、地方公共団体の中には、環境保全のための独自の基準をつくり、建築主や業者にこの基準を守るよう積極的に働きかけ、その同意のもとに、建築計画などを変更するよう指導しているところもあります。これを行政指導といいます。この行政指導の実施基準として、それぞれ都道府県や市町村で体系化してまとめたものが指導要綱になります。

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指導要綱は、土地開発の場合の緑地の確保や中高層建築からの日照確保などを目的として制定されるものが多いようです。日照についていえば、建築基準法とは異なる規制基準を設定して日照時間の確保を図ったり、対象地城を払大して、商業地域、工業地城にも現制を及ぼすなど、実質的に規制を強める努力が見受けられます。指導要綱による行政指導は、あくまでも建築主の同意を前提とするものでが、指導を無視されては行政目的をとげることができないために、都市によっては、行政指導に従わない者については、行政上必要な制裁措置をとることを、要綱の中でほのめかしている場合もあります。
指導要綱は、法律や条例もしくはそれらの委任による政令や規則とは異なり、規制内容に法律上の根拠をもっておらず、公権力で強制することはできません。しかし、守らなくてもよいとかというような問題ではなく、その地域にふさわしい生活環境を保全するために、お互いに自制すべき必要事項として、地方公共団体が定めているために、共同生活者としての自覚をもって尊守の努力をすることは当然のことです。
建築基準法は建築主事が建築確認申請を受理した場合に、21日以内に申請の適否を決定して、申請者に通知することと定めているので、建築主事が、この定めに違反して建築確認をおろさず、近隣住民の同意を求めるよう行政指導を行うような場合、これを違法とする建築主が、建築主事や地方公共団体を裁判所に訴えるケースも発生しています。
裁判所の判例では、建築計画をめぐって、建築主と近隣住民の間に争いが生じ、これを解決するために行政指導が行われている場合、その行政指導が相当と認められる方法により行われ、これにより円満な解決が期待できる限りにおいて、建築確認の処分を法定期間内にしなくても違法ではない、としたものもあります。しかし、建築主が行政指導に任意に協力していると認められるかぎり建築確認の遅れも違法ではありませんが、建築審査会に不服を申立てるなど、行政指導に対する服従の意思を放棄したと認められるときは建築確認の留保は許されないとした判例があり、この上告審で最高裁もほぽ同旨の判斬を示し、行政指導に対する不協力が社会通念上正義に反するものでなければ建築確認の延期は許されない、と判示しています。

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