公共建物による日影

病院、学校、公営住宅などの公共用建物の建築により隣地に対する日照を妨害する場合があります。逆に建物の建築により公共用建物への日照が妨害されることもあります。日照妨害を理由に、被害者が建築工事の差止めを請求する場合に、加害建物が公共用の建物であるか、それとも分譲マンションやビルなどの営利を目的とした建物であるかによって、また、被害建物が公共用建物であるか、それとも民間の住宅であるかによって、そして、加害建物または被害建物の用途によって、差止が認められるかどうかの判断に違いが出てくるかという問題があります。

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加害建物の用途は、受忍限度の判断要素の一つとなり、裁判所での差止めの判断に影響を与えています。一般には加害建物が公共用建物の場合には、営利を目的とする建物の場合よりも差止めが認められにくいと考えられています。それは営利を目的とした建物よりも公共用建物の方が、通常社会的必要性が高く、また被害者自身、直接または間接的にその公共用建物により利益を受けることが多いことから、それだけ被害者に我慢をしいてもよいとの考えが根底にあるからです。したがって公共用建物でも、その必要性の程度や被害者がその建物により利益を受けるかどうかによって、差止めの判断に差が生じ、必要性が強いほど、受ける利益が大きいほど、差止めが認められにくくなります。
被害建物の用途により、日照確保の必要性に違いがあることから、その用途は受忍限度の判断に影響を与え、日照確保の必要性が高い建物であればあるほど差止めが認められやすくなります。日照妨害に関する被害の程度について、建物を中心に考えるか、それとも土地を中心に考えるかという間題がありますが、一般には建物を中心に考えていることから、特に被害建物の用途も受忍限度の判断に影響してくるわけです。例えば被害建物が、事務所や店舗など居住用の建物ではない場合や、居住用の建物であっても独身寮など昼間は居住者のいない建物の場合には、普通の住居の場合よりも日照確保の必要性は低く、差止が認められにくいと考えられています。しかし被害建物が単に公共用の建物であるとの理由だけで、公共用の建物でない場合よりも常に日照の保護を厚くする必要はないと考えられます。公共用の建物でも個々の日照保護の必要性を考慮して判断すべきで、必要性が高ければ差止めが認められやすく、低くければ認められにくいと考えられます。
公共用の建物の場合には、居住者がいない場合も多く、居住のための良好な環境との意味での日照確保の必要性が低い場合も多くなりますが、居住以外の使用目的から日照確保の必要性が強く求められる場合もあります。例えば学校、幼稚園、保育園などでは、通学や通園する生徒や園児にとって、日照など良好な環境が特に必要で、この意味において日照確保の必要性は高いといえます。

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