間取りの基本

 設計資料集成などに示されている住まいの機能図は住み方の平均的というか、本能的というか、こうあるであろうという形をとらえて組織図化したものです。
 住まいの構成人員は、個(夫婦一単位)の集りである家族と、時々訪れるであろう訪問者より成り立っています。機能図は家族の流れと訪問者の流れを分離することと、家族個々のプライバシーを守ることを条件にして整理したものです。
 家族の中でも、夫婦を一単位とした個は、お互いに自分達だけの生活を守りたいという気持があるわけで、これが個室(寝室その他)となります。同時に家族一同がかたまって話をしたり、食事を共にしたりする共通の揚が必要になってきます。これが居間とか、茶の間とか、食事室などとよばれるところです。

スポンサード リンク

 他人が住まいの中に入り込んでくると、もう一つ条件が加わるので、組合わせが複雑になるわけです。家族それぞれの個の独立と、共通の場の組合わせだけならば割合単純に解決します。共通の場から放射状に個に連絡すればよいわけです。訪問者が加わった場合は、個と家族共通の場を含めて、家族の流れを太い一本の線にまとめ、訪問者の流れとを組合わせることになります。訪問者と家族はどこかで接する。ここが、訪問者と家族が一緒になって話をしたり、団らんしたりするところとなります。接客室、団らん室などとよばれるところです。
 居間とか茶の間、食事室などと接客、団らんなどが共通のところで一緒になります。家族の流れと訪問者の流れと接する場合に直交することを避け、平行するような形で処理するのがよい。こうすれば他人の目は家族共通の部分の中で許せる繩囲内にとどまり、個の部分の奥まで立入らなくてすむわけです。
 この太い流れをきめておけば、部分部分については比較的自由に処理してもよい。少しぐらい動線が遠くなっても住まいの中の距離なんてしれたものであるし、またかえって楽しい空間もできるでしょう。
 しかし、何回も何回も遠回りするようなところができるのは骨格の組合わせがまずいためです。訪問者が少ないからといって、二つの流れを直交させたならば、その交点のところはいつでも何となく他人の目を意識して構えていなければなりません。窮屈であり、精神的につかれます。
 二階が個室の場合に、玄関ホールに階段を設けてあるのがあるがプライバシーのことを考えるとうまくありません。欧風の寝室のように浴室、便所を併設することがまれなわが国の住まいでは、階下の浴室や食事室から、個室への服装に気をつかわなければなりません。これと同じ意味で、少し贅沢でかが、客用便所を玄関広間に一つ設けるとプライバシーの確保に非常に有利です。
 ここに更につけ加えることは、以上のべてきた住まいの中の生活を維持、持続させるための機関が必要です。厨房を中心としたユーティリティと呼ばれるところで、住生活のそれぞれの場に接続するような位置にあって欲しいわけです。しかも他人の目にふれないように。
 住まいの面積が広くなると、掃除が大変でしょうと必ず奥様方から注意されますが、必ずしも面積に比例しているわけではありません。もちろんせまいところより、広い方が手間がかかることは当然ですが、間取りさえよければ、というのは骨格さえしっかりしていれば、それ程心配したことはありません。他人の眼にふれるところを極力少なくして、眼にふれるところを重点的に掃除すればよいわけです。以上の骨格をしっかり準備した上で、さまざまな住み方に対応した肉付けを進めていくわけです。

間取り
間取りの基本/ 地割りの基本/ 住む人と部屋の性格/ 住宅での畳と椅子/ 寝室は布団敷きかベッドか/ 住宅での団らんや接客/ 台所とユーティリティ/ 浴室や洗面所と便所/ 通路と応用/ 収納と空間利用/ 和室と床の間/ 神棚や仏壇などの習俗について/ 家相のこと/ 住まいの中の遊び/ 動線に沿った空間/ 空間のつなぎ方/ 階段の遊び/ 環境の一部としての住まい/ 屋根の形/ 日本家屋の屋根/ 外壁と開口部/ 建物の基礎/ 部屋と庭との境目/

       copyrght(c).間取りガイドドットコム.all rights reserved

スポンサード リンク

プライバシーポリシー