寝室は布団敷きかベッドか

 よく寝室の形式を、布団からベッドにしたらよいという声を聞きますが、この点について本当に考えたことがあるのか、はなはだ疑問です。まず寝たときの形から考 えてみましょう。寝た形は水平であることはいずれの国でも大体同じです。その点、布団もベッドも同様です。

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 気持よく睡眠するためには体の下は畳程度の固さに厚手の綿の入った敷ぶとんがよいでしょう。あまり弾力のあるものは体を圧迫して疲れます。ベッドでもこれと同じような条件ならば気持よいわけで、スプリングのきいたものは失格で、固い藁布団の上に敷布が最適です。この時点では両者とも条件は同じです。こうなると異なるのは床面からの高さです。布団は床面から一五センチ位のものであり、ベッドは四五センチ位の高さをもっています。座ぶとんと椅子の高さのちがいです。このことについて動作の面からみると、横臥から立姿までの動作が床面より高い方が敏速に行動できることはたしかです。普通では就寝中そんなに起きたり寝たりするものではありませんが、老人とか子供のように、しばしばそうした動作をくり返す必要のある者にとっては、床面より就寝面が椅子の高さぐらい上がっている方が、理屈の上から好ましいことになります。腰掛け式の洋風大便器と和風大便器の関係によく似ています。
 その次は、一方は固定式であり、一方は折たたみ式である。固定式のベッドの場合は、家族数によってベッドの数が決定される上に、当然、寝室として固定した部屋も必要になる。そうなれば、臨時の泊り客などは普通の場合、拒否されることになる。しかしそのため、寝室としては充分な施設も可能です。その点布団の場合は、押入から取り出して使うのであるから、臨時の客などに対しても自由です。しかしそのため施設としては、中途半端のことになるのはやむを得ない。床面積の絶対値が不足している場合は便利であり、多用途に転用できることや、空間を広く利用できることなどの数々の利点をもっています。ここではその是非は別として、形式の外面のみ見て取捨することでなく、生活の実態を充分に自覚して選択すべきであるということを忘れてはなりません。
 寝室は、完全な個室でありたいことは原則です。固定された寝室の場合は、鍵によって比較的簡単に解決できるが、多用途に転用する場合には、問題になってくるところです。畳敷きの和室でも、ホテルの和室のように、鍵によって遮断されることがのぞましいわけです。鍵は内部からは鍵なしで、自由に開けられるナイトラッチが便利です。たとえ畳敷きでも、着替え用の衣裳棚は作り付けで附属させておいた方がよいでしょう。

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