収納と空間利用

 通路とか収納部分は、住まいが出来上って、住まいを使ってみて使い勝手がよいとか悪いとかではじめて判断できるもので、間取り図をみただけではわかりにくく、まして説明してみても、相手を納得させることはむずかしい。特に収納部分に至っては、生活に直接必要な空間ではないので、目に見えない床面積の増加となることや、同じ床面積ならば空間を立体的に利用することによっての建築費の増加などと、専門家でないと納得しにくいことが多い。

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 無責任な建売住宅や、最小限住宅といわれる小面積の間取りでは、真先に収納部分が省略されます。収納部分が少なければ、当然生活部分の有効面積はこれに占領されるので、実質的には見掛けより小面積だということです。
 古い間取りの建物は、収納部分といわれるところはまことに少ない。そのかわり土蔵のような、防火を兼ねた全く収納専門の施設が附属されていて、部屋にはあまり物を出していなかったので、何とか解決していました。一般の住宅では、土蔵の代用として主家に持ち込まれたものは納戸といわれる収納部屋と深さ九〇センチの押入などです。両者とも発想としてはよいが、収納する物品に合わせた合理的な空間利用とまでは発展せず、寝具としてのふとんの格納が限度でした。
 平面的にも立体的(断面的)にも余分の空間はすべて収納部分に利用すべきです。余分の空間とは、物入れの深さが手の届かない深さであれば、残った分は未利用の空間ということになります。和室の在来の押入が、ふとんをいれるのに必要な深さではありますが、ほかの物品をいれるには深すぎて奥まで手が届かず掃除も十分にはできません。深さを半分にすれば倍近くの利用率になります。収納量は深さより間口に比例します。
 扉の高さあるいは内法の高さから上も当然収納スペースになる。天井裏でも、利用する高さの計画さえうまくすれば相当の空間が利用できます。しかし空間利用を十分にすればする程、収納 する物品の区分けが必要で、常時頻繁に使用するものと、たまにしか使用しないもの、重い物、軽い物、小さい物と大きい物など整理しておきたい。天井の高さから高さの基準を考えておき、物品による多少の寸法のちがいは別にして、使い易いようにしたいものです。小物をいれておく引出しなどは、便利なものですが、目の高さ以下に設けていないと引出しても中が見えず使い物になりません。

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