神棚や仏壇などの習俗について

 古いしきたりは、年ごとに忘れられてきてはいるか、それでも祭が復活し、年中行事が盛んになっているのは、人びとが生活の中に精神的なゆとりを求めている証拠でもあります。
 和室の畳や、ファイヤーブレースもそうですが、永い年月をかけ、何代もの人達によって伝えられてきたものは、それなりに私達の共感をそそるものがあり、またそういったものをデザイン的にも洗練させて大事に育てていきたいものです。機能的に処理できるであろう間取り一つとっても、ヨーロッパ的な発想と日本的な発想とは根本的な相違があるもので、体にしみ込んだものは簡単に払拭できるものではありません。そういった習俗のいくつかを取り上げて住まいへの関わ り合いを考えてみたいと思います。

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 神棚と仏壇が同じ住まいの中に同居している私達の生活は、宗教からはみ出した習慣としか理解できません。私の家などでも、ほとんどの部屋が椅子式で、畳の部屋など二階の奥だけで、それも納戸兼用というのに、かまどの神様である荒神様も、商店でもないのに商売繁盛のえびす様まで、古いまま残してあります。もっとも毎日礼拝しているわけでもないが、正月ともなればきれいに掃除して自己流ではあるがそれぞれしめ飾りをして、お供え物をします。えびす様も、えびす講の時はお頭付きの魚をあげていましたが、大分前から省略してしまいました。
 神様を分類してまとめると、第一は詩的心情、自然的心情で祭る大神、水神。第二は国民として部民としての精神力を高め、団結心をはぐくむ国神、郷神。第三は一家限りの安寧幸福を願う福神と防災神の三種になるとしています。
 そして第一のものは土間に祭られ、第二のものは茶の間に、そして第三のものは茶の間の下手にという分布で、寝室とか接客の構えには神棚は設けてないと述べています。神棚を設ける場合に何かの示唆になると思います。
 最近では家を新築しても、神棚とか仏壇の場所まで考える人は意外と少なく、だからといって無関心なわけでもありません。もちろん、古い家を改築した人で、もとの家に神棚とか仏壇があった人は別ですが、新しく分家して一家を構えた人は仏壇はなかった人も多いと思う。そこで一応お尋ねすることにしている。大抵の人は神棚なり仏壇の場所を考えてほしいという。
 仏壇は別に仏教についてどうという考えがなくとも素朴な意味で先祖を祭りたいという人は多いようです。生きて無事に生活している人の務めでしょう。
 毎日のおつとめや、法事の時などのことを考えると、どの部屋に設けるかも十分検討しておきたい。どちらかというと神棚の場合もそうですが、接客を主とする客間のようなところでなく、家族だけ集まる茶の間のようなところに設ける方が無難である。茶の間とか居間で接客も兼用するような場合は、仏壇の扉を閉めておけば一見して仏壇であることがわからないようにしておくことも一つの方法でしょう。
 毎日の礼拝のことを考えると高さは一メートル位の方が畳の場合でも使い易いが、法事などで坐る部屋だと六〇センチ前後の方が目線からみてよい。どの位の高さにするかも、苦労するところです。毎日仏前に接する人の意見をよく聞くことである。なお宗旨によっては特別の約束事 があるので、念をいれて打合わせする必要があります。

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