家相のこと

 建築の専門家の間で、最も苦手とするところは家相とか方位による禁忌といったものの扱いです。ところが実際に仕事に接してみると、よくでてくる問題です。デリケートなそして多分に気持の問題でもあるし、大事に処理しないと取返しのつかぬこともおこります。被私達がこれを根うといっても、建築学で根うことではありません。家相とか方位による禁忌は、どうこじつけてみても科学的な根拠はありません。たまたまいくつかのことが理論と一致したからといって、全体が根拠のあるものであるとはいえません。

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 しかし、人の気持は、理論だけではなく、誠に微妙なものです。食べ物でも好きなものは消化がよく、嫌いなものは、同じものでも消化が悪いものです。相手の気にすることを、無理に押しつけるのはよくありません。こういうことは避けたいということはでき得る限り避け、こういう形にすべきである、ということに対しては消極的に取り入れることです。というのは、家相に合わせて設計がまとまるものではないからです。部屋を右に移し、左に移したりすることは使用目的にも、機能にも矛盾し勝ちであるし、全体のまとまりも悪くなります。
 間取りの骨格だけはくずしてはなりません。間取りの骨格をくずさないようにして、条件を組込むことが肝心で、もちろん部分的な処理では無理で、平面全体を手直ししなければうまくいきません。面積は、そのため、ある程度の増加は覚悟してもらうよう納得しておいていただくことです。平面全体として処理すれば、そう不自然にはならず、骨格もくずさず、家相で避けたいという部分も、間取りの中にうまくとけ込ませることができるものです。少し時間はかかるが、この気持の納得がいかないまま、強引に進めても、その後の意志の疎通がうまくいくものではありません。
 家族構成は時々刻々と変化するので、住む人にとってもまことにつかみにくい。近年は核家族が多く、子供は結婚することによって新しく分離していく傾向が多いので数世帯同居というのは少なくなっています。
 単位は夫婦と子供という一般的な場合を想定してみると、子供はたとえ小さくとも、すぐ成年になってしまうので、できれば個室を計画しておくべきです。同性ならば二人一室もよいでしょう。設計する場合は、子供室の一つは多少せまくともツインルームになるように計画することにしています。こうしておけば子供が結婚しても一時的には間に合うし、わずかな期間であっても親子二夫婦が同居することも別の意味で意義があります。この場合には簡単なキチネット、便所、洗面設備の用意が必要です。

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