空間のつなぎ方

 空間自身のとり方や、空間そのものの変化に加えて、空間と空間とを結ぶ方法によって、二空間の性質をより効果的に高めることができます。
 二空間をつなぐ手法は、通路とよばれるものですが、一般には無駄な空間であるから、最短距離で結ぶのが原則であることは既に述べた通りです。
 しかしこの無駄とも思える空間に、別の目的をもたせ、二空間を単につなぐだけでなく、それ自身でも独立した空間としての役割を果たさせることが、住生活をより一層楽しいものにしてくれるものです。

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 通路に別の目的を含ませるということは格別めずらしいものではなく、回遊式の庭園における園路の扱い方や、書院造りにおける渡り廊下など、過去の建築にしばしばみられるものです。
 単なる通路だけでなく、庭の一部としての役割を果たしているこの空間処理の手法を、今日に復活させればよいわけです。
 空間のつなぎ方を分けてみると、ストレートなつなぎ、澱みをもたせたもの、曲がりや障壁を利用したもの、それらに伴う視野の変化と階段の役割といったものです。
 動線としては明快であり、能率的であり、労働力の軽減ともなり、住まいの中のそれぞれの目的をもった空間を最短距離で結ぶようにしたものです。この部分の少ないということが、住まいの平面計画が無駄でなく、合理的に計画されていて良い計画だとされるのももっともです。
 台所と食事室との関係、台所内部の調理器具や流し、ガス台の配列などは、ストレートなつなぎ方をするよい例です。
 同じような関係として、脱衣室と浴室、寝室と化粧室、寝室と収納、着替え、衣装室などの関係があげられます。最小限住居を考える場合の基本です。
 空間と空間が連続した動作をする場合は、ストレートの連絡になるが、二空間がこのような連続動作を要求する場合はむしろ特別であって、一般には二空間はそれぞれ異なった使い方をするのが普通です。たとえば、居間と寝室、A寝室とB寝室、個室と仕事室といったように、それぞれ独立した用途をもった空間をつなぐ場合は、直結する必要はなく、単にそれぞれが独立した空間なのて、何らかの方法で連絡するために、通路を用いたに過ぎないのです。
 学校の教室をつなぐ片側廊下、中廊下式の住宅の廊下、単なる渡り廊下など全く通路としてのみの目的をそのまま通路でつないでいるもので、目的は充分果たして無駄もないようですが、まことに味気なく、これでは何か無用のもののように思えてきます。
 この場合、通路としての連絡路のほかに、異なる二空間の中間の目的をもった別の空間として考えられれば、より複雑な住生活が得られることになります。通路だけならば一人八〇センチの幅員で充分ですが、これをどこか少し拡げることによって一種の澱みを設けます。
 こうなると通路ではなく別の空間がそこに生ずることになります。この空間は目的をきめずに、誰でも自由に、どのようにでも使える空間としておけば、住まいにゆとりを与えてくれます。
 書院造りなどの庭を取り込んだ渡り廊下、別棟の便所などに渡る廊下と庭との接触など、空間をかみ合わせて一つの空間をつくり、通路のみでなく、一種の憩いの空間としての役割を果たしているのが澱みの効用です。個室と個室をつなぐ廊下を広くして、中央を広間とする。浴室をこれにつなげば連絡路とともに共通の広場として多目的用途に使えます。

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