外壁と開口部

 木造で、骨組をそのまま外部にあらわす真壁造の場合には、垂直材としての柱と、構架材としての梁とか桁、あるいは斜材などによってつくられる、さまざまな形の矩形、または三角形の囲みと、囲みの中にはさまれた壁の色とで、外壁の特徴を形づくる。これは日本に於けるものも、西欧におけるものも基本的には同じです。

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 日本においては、できるだけ南面の開口部を拡げたいという条件のためか、南面の垂直材としての柱を少なく押えてある。そのため、全体の構造がきやしやになるためか、平家建てが多く、せいぜい二階建てです。
 西欧の木造は、壁面でしっかり外部と遮断させたいという考えが比較的強く、気候的にも特に開口部を大きく開放したいという考えも強くなかったためか、垂直材としての柱が南面でも比較的多い。開口部を広くしないならば、構造的にも柱を多くした方が構築が楽であり、必然的に頑丈にもなるので、階数のあるものが多い。日本でも山間の民家などは、開口部よりも風雪に耐えることを主にしているので、柱も多く頑丈でもあるし、高さも高いものがあるし、屋根裏の階をいれれば数階になるのも多い。
 大壁式というのは、骨組は内部にかくれて、仕上材だけが表にあらわされるものをいう。大壁式といえば、今日では西欧式と同意語だが、耐火的な要求と防禦的な目的から、日本でも土蔵造の塗込め式が生れましたが、これはむしろ異質のものです。
 湿度の高いところで、腐蝕する木部を塗込めることは、あまり感心したことではありません。たまたま木骨を用ましたが、石とか煉瓦のように腐蝕しにくいもので代るべき材料があればそのほうがよかったはずです。ただ地震に対しての不安感から組積造は発達しませんでした。
 塗込式は、デザインの上からみれば、肌合いはマッシヴで組積造に近い。塗仕上げは、今日では主として耐候性のラスモルタル下地に、リシンのかき落しか、吹付け仕上げが一般的です。
 荒壁の上にしっくい塗りという小舞下地の壁は、現在では特殊の建物を除いてはほとんど行われていません。しっくい仕上げは土蔵造のように入念に数層も重ねて塗上げていけば別ですが、雨に対してはセメント系の塗仕上げには遠く及びません。塗仕上げでは収縮による仕上面のクラックが問題で、まずどの材料でも防ぎ切れません。表面のクラックほど見苦しいものはありません。だから、塗面積をできるだけ小面積にすることです。
 真壁造の、柱型で区画された塗壁部分のように、壁面を小面積に区切ることが大切で、大きな壁面を塗回すことは禁物です。大壁造の塗壁では、内部の木骨が腐朽し勝ちであるため、壁下地に防水紙を入れるとか、内部の通気を十分考えておきたい。
 板で外壁を覆う仕上げは、木材の豊富な時代、ところでは、板厚の厚い下見板とかシングルとして発達しました。板とはいえ、シングルは、外壁だけでなく、ところにより屋根にまでふいているもので、数層にも重ねられたもので、雨に対しても十分耐えられるものです。日本でも、神社などの屋根にふいている、こけらぶきや、桧皮ぶきなども同系列のものです。
 日本の場合、板材を少しでも節約する意味から、薄い板を押し縁で押えるという工夫まで考えた、押縁下見などがそれです。近頃はあまり見掛けなくなりましたが、関東近辺には特に多かったものです。
 木造板壁も、木材が貴重になったばかりでなく、火に対して弱いという致命的な理由で少なくなりつつあります。
 これに代って石綿板での製品が進出し、下見板張り、石綿板のシングル張り、といったものが登場するようになりました。これからは代用品という意味でなく、肌合いからいっても板と異なる別の材料としての特色をもたせるよう考えるべきでしょう。
 外壁の中の開口部は、窓であり、出入口ですが、この形状や寸法は構法や材料の制約を受けながら、外部からの諸条件に対抗しつつ形づくられてきました。
 日本の場合は、夏の暑さと高温度を凌ぐために、平地部の家屋の多くは開口部を広くして通風をはかりました。特に南面は架構の間はすべて開口部です。いかにして壁を抜くか柱を抜くかという努力の積み重ねです。広い開口部が和風住宅の外観を構成する大きな特色でもあります。広い開口のため必然的に開閉方法に工夫がほどこされ、突上式の戸から、引違いとか、引戸という便利な方法が考えられました。
 突上式も引違い式も、竪よりも横に長く、間口の広い方が扱い易いものとして考えられたわけです。
 石造や煉瓦造など組積造だと、できるだけ開口部は狭い方が構造的に有利であるから、竪長の開き窓・開き扉が発達し、開口部の形は竪に長くなります。
 土蔵造や城郭にみられる、塗込式の窓や出入口は、防火とか防禦の目的から、あまり開口部を大きくとることは不利なことや、壁厚の厚いこともあって、結果的には組積造に似た形になり、和風の形としては少し異質です。
 南面の広い開口部は、出入りと視野のため開放されますが、出入りの必要のない部分は、防盗のためや目隠しのために、格子がつけられます。細い木製の竪格子とか金属製の格子が一般です。
 防盗の役割はもちろんですが、窓の建具を開けても外からの視線とか、日照も適当に防いでくれるものです。そのうえ高湿度を調節する通風はそのままで十分です。

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