建物の基礎

 ヨーロッパの古い町並をみていると、全く建物と大地とが無理なくつながっています。特に遺跡などの廃墟をみると、一体どこまでが建物だったのか、土留めの擁壁だったのか全く区別がつきません。当り前の話で、建物の壁体の構造も、土留めとか擁壁も、同じ材料でおなじ構造だからです。古城が岩肌から全く生えたように空に向って立上っているし、街の教会の壁が地面から這い上っているのをみて、大地とのつなぎの扱いが実に見事だと感心します。

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 木造の建物の場合は全く厄介なものです。ことさらに大地とのつなぎを問題にする程むずかしいことです。鉄筋コンクリートの街の大きな建物でも、ここの手法のうまいのが割合すくないということは、私達には苦手なのかも知れません。木の弱点である腐朽、特に日本のように高温、高温度の場合木部が腐朽し易い。
 柱の根元は、古代の掘立てから、腐朽しないよう石の基礎になった。コンクリートとか石などの基礎は温気を防ぐ意味で地面より上げなければなりません。ここで基礎と異質の木造壁体とが接するわけで、この辺りの扱いが、構法の上からも形態の上からもつなぎの問題点です。木造の柱、木造の壁の軽快さと、石とかコンクリートの持つ固さを接合部でどう処理するかです。
 外壁を伝わって落ちる雨滴は、地面まで落ちますが、基礎は樹法上からは外壁より外にはみ出すのが一般です。基礎上端にたまった水滴が、土台を腐らすもとになるので、ここの水切り処理は特に注意したいものです。
 高床式でおさめた事例をあげると、床下をあけて外部空間である植込みを、内部にまで延長するような感じにするため、柱下脚部を包み込むように組込んでみたものです。通路は植込みの周囲を壁面に沿うて歩く。
 南面縁側の床下は、開放にして、庭を床下まで入り込ませて、建物と大地を交錯させて一体化させます。他の水を床下まで引込むなどすべて同じ手法です。
 茶室は特殊なものであり、扱いに一種の伝統的手法があるにしても、外壁脚部の扱いは合理的です。当時として考え得る処理としては、機能的にも意匠的にもまことに巧みです。
 地面からの湿気を防ぐための壁と基礎石との間の空隙や、自然石の基礎石と、木造の面皮柱との柔かい釣合いが、意匠の上からも細かい配慮が感ぜられ、見事に大地と壁が連結している例です。

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