暮らしと住まい

暮らしとは、生活のやまとことばであり、その意味するところはきわめて広くなっています。生活科学の領域からは生活とは広義には生命体が外界と同化し、異化していく過程。人間でいえば、人間が必要なものを生産し消費していく全行動過程ですが、狭義に解釈すれば、生産と対置される家庭生活を中心とした人間の物質的、並びに文化的生活を意味するという解釈があります。しかし、ここでいう生活は、一応狭義の生活、つまり家族という人間集団によって営まれる消費を中心とする行動過程、いわゆる消費生活とか家庭生活とかいわれるものを主として考えておきます。ただし、住まいが工場やオフィスとはっきり分かれている住み手はともかく、日本の社会の二重、三重構造の底辺を形成する広汎な農民、中小零細企業従業員、家内労働者などにとっては、生産労働と家庭生活は、時間的にも空間的にも、また意識的にも一体化を余儀なくされています。そこでの家庭生活は、生産や労働と切り離して考えられないのが一般的であり、主として家庭生活を考えるということの日本的な意味は、このような事情にもとづいています。

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暮らしは、個々の家庭によって様々な特徴を持っています。しかしその要素である生活手段、規範、目標などが組みあわされて経済、時間、空間あるいは人間関係などの様々な側画にあらわれるとき、暮らしは大きくはその時代時代の社会体制によって規制され、さらには階層、職業、地域などにより、ある一定のまとまり、暮らしの型、生活様式を形成します。農民の暮らし、ホワイトカラーの生活様式などと言われて、私達が具体的なイメージを思いうかべられるのは、暮らしにこのようなまとまりがあるためです。
暮らしは、この暮らしの型、生活様式によって、それぞれ特有の構造しくみと機能、働きをもち、しかもそれらは歴史とともに法則的に発展していきます。住まいには住宅としての意味と住居としての性格があります。前者は物理的な存在としての建築構造物を示し、後者はこれに住み方が加味されて、生活の場としての社会的性格を付与されたものといえます。
住まいは、暮らしの重要な生活手段の一つです。ただこの場合、一定の限られた地域に住宅が密集する都市においては、住まいはもはや個々の独立住宅だけではカバーしきれない性格をもっています。このような都市的集住形態は、それを可能とするための条件として個々の住宅の共通基盤、共同施設を要求し、それが提供されてはじめて集住によるマイナスをなくして、逆に高度な生活を保障する居住形態が成立します。
ここでいう住まいは、全体としてまとまりのある住環境の1ユニットつまり近隣空間やコミュニティの一つの単位、住戸としての性格をもつものと考えられます。住み方は、住むという生活行動のまとまり、様式です。それは住まいと関連づけてとらえた暮らし、つまり生活の空間的側面であるところの住生活を意味しています。住生活は、住み手の階層、家族構成、あるいは地方によりある一定の様相を形成するに及んで様々な住生活の型となり、それを一般化していうとき住様式という表現が用いられます。住様式はこの意味で、いわば生活様式の空間的側面といえます。しかし、生活の空間的側面である住生活、住み方も、これをより具体的に把握しようとする時、そこに二つの接近の仕方がみられます。一つは、住み方の追求を通じて住まいをつくる立場から、すなわち住宅計画側からのアプローチであり、そこでの住み方は、生活行為がおこなわれる住宅間の配列、構成によって、一定の住み方の意味づけでうらうちされた住宅間の構成、型としてとらえられています。
もう一つは、いわば与えられた住まいのなかで豊かな暮らしを実現していくため、住み方の創造を追求していく立場、つまり住み手の側からのアプローチです。いわゆる一般の小住宅の住み方などにみられる住み方は、後者の意味の住まいの使い方、住みこなし方として用いられています。この場合、そこには住宅や設備の維持管理としての管理も含まれていますが、強いていうならば、この場合の住み方にはそれを通じてどのような暮らしを実現するのかという生活管理的色彩が濃く、管理は、建物や設備を長もちさせるという物品管理的性格が強くなります。
ここでいう住み方は、一応これらの両側面を含んだ広義の住み方であると考えられ、その意味するところは、個々の住み手が互いにどのような生活行動の型、行動様式を通じて目標とする暮らしを実現するのか、またそのために必要な物資をどのようにととのえるのか、といった内容を含むものです。

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