物の分類

住み手の生活と住み方は。ある種の規則性をもっています。その規則性は、時間的な生活のリズム、あるいは空間的な秩序としてあらわれ、住み手はそのリズムに従って生活することで日常の要求をみたし、心理的な安定を得ます。この秩序を形成するために、住まいのなかの様々な生活手段をそれらのもつ機能に従って配置することを、整理、片づけと考えるならば、家具や器具の配置は、その第1段階ともいえます。しかしここでは主として一般的に用いられている整理や片づけ、つまり家具や器具などの比較的大きい生活手段を除く小さな生活物質、衣料品、食品、容器等などの物の空間的配置、収納について考えてみると、整理とは雑多なものの中から、共通なものを選び出して、グループごとに分けることだとするならば、家具、器具の場合と同様、何を共通の性格としてひきだすかが、整理を考える第一歩となります。

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間取り

いま空間を秩序づける立場からみたとき、物のいくつかの重要な性格は、次のようなことになります。まず第1は、物がどれだけあればよいかという量の問題に関連して、貯蔵品か、消耗品かという分け方です。消耗品は毎日何らかのかたちで消耗がすすみ、消耗された部分はそれだけなくなっていきます。その中には生鮮食料品のように、毎日そのほとんどがなくなるものもあれば、耐久消費財のようにそれが消耗されるまでは何年もかかるといった消費サイクルの違いはありますが、いずれにせよ消滅してしまうことには変わりありません。消耗品の機能は、それらが消耗されるプロセスにおいて発揮されるのであるため、消耗のテンポにあわせて必要なだけ補給してやればよいのであり、その保有量は一定の限度内でおさめることができます。
ただ消耗品といっても、主として食料品のように、それ自体の性質は変化しないで量的に少なくなって消耗していくものと、肌着のように、身体の汗や垢をとって汚なくはなりますが、再び洗濯によってきれいになるというサイクルをくり返す内に消耗してしまうもの、すなわち常に質的変化をくり返すことが機能と結びついているようなものとの2種類があります。
これに反して、貯蔵することが目的であるようなもの、つまり一度消耗してしまえばとり返しのつかないもの、その代替物がえられないものについては、機械的にその保有量に限度をひくことができない。それらは様々な蒐集品、芸術品、書籍などのたぐいです。この場合、どこでその量を確認するかは人によって異なり、かなりその判断が難しい。
第2は、物の変質の速さによる分け方です。物が変質しては、その質と結びついた機能は果たせなくなります。しかしその変質にも、食料品が腐敗して使えなくなるように、もの自体の物理的変質が機能の変化に結びつくものと、流行遅れの衣料品のように、それ自体は変質しなくても、外部条件の変化、生活の変化によって、住み手が要求する新しい機能にもはやそれらが対応できなくなります。つまり社会的に変質するものとの2種類があります。変質の速い物を沢山持つことはこのような点で無意味です。第3は、物の大きさ、形、重量などの一連の物理的属性による分け方です。小さいが重くて丸いもの、大きいが軽くて四角なもの等々無数の組合せができます。
第4は、使用頻度による分け方です。よく使うものとめったに使わないもの、毎日使うものとある特定の季節しか必要としないもの、という具合です。めったに使わないものは、持っていても厄介なことが多い。整理とは、これらの様々な属性をもつものを、最も使いやすい状態で置いておくこと、収納しておくことです。

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