住まいの管理、サービス制度

居住技術の断絶や住環境改善への無関心といったことは、短時日のうちに解決されるものではありません。住み手の主体性を尊重しながらも、効果的な住生活指導、共同生活を通じての環境改善への参加要請といった積極的な方策もまた必要です。このため、まず第1に住み手に様々なサービスをする住生活の専門家が養成されていく必要があります。これらの専門家は過去の住宅管理の経験と、これを科学的に把握した研究成果にもとづき、管理者側と居住者側が協同してつくった居住方式を、具体的条件を異にする個々の家庭の住まいや近隣に適用するため、これに必要な指導、助言、相談等の活動を幅広く行なうものです。第2は、これらの専門家の活動を支える実質的な基盤として、住み手の手におえない住宅や設備の補修をする技術サービス機関、様々な家具や器具の貸付を行なうリース機関、また地域施設の運営管理を行なう一連の経営組織などの整備が必要不可欠です。第3は、管理側からする指導、助言、サービスなどが上意下達式に行なわれるのでなく、前向きの方向で解決されていくために、民主的で自主的な住民組織が確立される必要があります。この組織の存在によって、住み手側から出てくる問題は、単なる管理側に対する苦情としてではなく、みんなの共通の問題と化し、また、管理側から提起される課題は、より積極的に受けとめられることになります。民主的な住民組織は、住民の要求をサービス機関や施設の運営組織に反映させる必要不可欠の存在です。

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間取り

個々の住まい、あるいは居住地における積極的な住み方の実現は、住み手の生活を大きく前進させることになります。しかし、一方では、国全体の住宅行政にまで反映されねば解決できない問題も多く、このために以下のような点が留意される必要があります。
第1は、住み手と住まいの対応関係が、住まいによる強制でなく住み手の主体性でリードされていくために、様々なタイプの住みかえが住宅政策で保障されねばならないことです。例えば日頃慣れ親しんだ地域で暖かい人間関係を発展させたい住み手には、住み手の家族構成に対応した様々な住まいが同じ居住地のなかで豊富に供給される必要があります。またライフサイクルに応じて居住地をかえる住みかえや、転職や転勤にともなう移住、住みかえが、円滑に保障されることも必要です。
第2は、様々な段階の地域施設が、住み手の要求に対応して供給されなければならないことです。地域施設の構成は、住み手の社会階層や年齢階層によって異なりますが、住生活の社会化、共同化を積極的におしすすめていく上で、充実した地域施設の果たす役割は大きい。
第3は、住み手の生活を通じて把握された様々な問題を、次の段階の住宅計画、居住地計画に反映させねばならないことです。計画がともすれば建設までの段階にとどまり、その成果が実現される段階での住み方にまで眼がおよばないことが多い。住み手の実際の体験を通じて、また、よりよい住み方を確立していくための努力を通じて、住宅計画がより確かなものへと深められていかねばなりません。
以上の住宅計画へのフィードバックシステムとしては、次のようなプロセスで行なわれる必要があります。
様々な住み手の生活体験が、互いの経験交流、討論を通じて集約され、それらが住民組織によって管理者、計画者に伝えられます。
管理者、計画者は、住み手の問題提起にもとづき、住み手の協力を得て住み方調査を行ない、問題点の整理、分析を行ないます。
調査研究の結果、問題の解決方法として、それぞれ住み手の住み方の不慣れに関するもの、管理制度の不備に属するもの、そして計画のあやまりによるもの、といった点が指摘され、それに対する具体策が提示されます。
各々の組織、住民組織、管理者、計画者、においては、この解決策の実施についてのプログラムをつくり、実行に移します。
このプロセスが、柔軟に、かつ慎重につみ重ねられて行きます。
住宅計画、居住地計画における住み方と管理は、これほど広汎で重要な役割を担っている以上、居住者、管理者、計画者の協力体制が今後一刻もはやく確立されていなければなりません。

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