借家契約の保証人

一般に、保証人というのは、法律や契約の定めによって、金銭を支払うとかその他一定のことをしなければならない義務を負っている人(債務者)が、その義務を果たさない場合に、その債務者に代わって、金銭を支払うとか、債務者がその義務を果たさないことによって相手方(債権者)がこうむった損害を賠償するように約束した人のことをいいます。だいたい金銭を支払うこと以外は、他人が債務者に代わってすることにしたしまないことが多いので、結局保証人は、金銭を支払うということで、債権者に満足を与えるということになるのです。
ところで、保証人には、連帯保証人とふつうの保証人とがあります。ふつうの保証人は、本来債務者が義務を果たさないときに、はじめて責任を問われ、債務者のために金銭を払ったときは、債務者にこれを請求することができるという立場にあるものです。したがって、保証人は、特に決めなければ、債権者から請求を受けた場合でも、まず、債務者のほうに請求してもらいたい、とか、債務者には財産があるから、まず、その財産を差し押えてもらいたい、といって、一応は金銭の支払を拒むことができ、また、保証人が何人かいるときは、頭割りで、責任を負うことになります。
これに対し、連帯保証人の場合は、債権者に対する関係では、債務者とほぼ同様の責任を負うことになるのであり、債権者が、債務者に請求しないで、まず保証人に請求した場合でも、ただちにこれに応じなければなりません。また、保証人が何人かいても、それぞれ、債務の全額を支払わなければなりません。ただ、保証人が債務を支払ったときは、その金額を債務者に請求できることは、ふつうの保証人の場合と変わりありません。

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借家契約は、だいたいにおいて、長期にわたって継続するものであり、かつ借家は家主の気長な資産であって、そこからあがる家賃は、家主の生活源となるものです。それですから、借家人が、家を大切に使い、家賃を確実に支払うなど、契約を守るかどうかは、家主の重大な関心事であるわけです。特に、借家契約が長期にわたるときは、その間に、借家人の資産や収入状態が悪くなることも考えられます。
また、借家人が契約を守らない場合には、家主は、借家契約を解除することができるのですが、事実上、容易に家を明け渡して もらえず、そのために、巨額の損害をこうむることも生じてきます。
そこで、このような場合を予想し、家賃が確実に支払われ、また、こうむった損害が完全にうめられるように、家主のために借家人に保証人を立てさせることが、通常行なわれています。
特に借家人が会社であるが、いわゆる個人会社ないし同族会社であって、会社の資本金は少なく、その社長に資産があり、その個人の信用でその会社の事業が営まれているというような場合には、会社の債務の引当てとなるのは、その会社名義の財産に限られよすから、社長の資産を引当てにし、社長に責任を持ってもらうには、その社長を保証人とするよりほかはありません。
保証人は、このような目的で立てさせるのですから、十分資産のある人を保証人にさせることが望ましいといえます。また、保証人には、場合によっては、いろいろな通知をしたり、催促をしたりする必要のあることも起こりえますから、なるべく借家の近くに住んでいる人を保証人に立てさせるようにしたらよいといえます。そうして、なるべく家主に有利にしようとするならば、保証人を複数とし、かつ連帯保証人とすればよいのです。
保証人を立てる契約は、家主と保証人となるうという人との間で結んでも よいのですが、ふつうは、家主と借家人とが借家契約をするとき、保証人がこれに加わって、三者連名の契約をすることになっています。これは、借家人のほうで保証人を選んで契約に参加させるためでもあり、また、保証人に借家契約の内容をよく知らせるためでもあります。
契約書の文言としては、「丙(保証人)は、この契約に基づき乙(借家人)が負担する金銭債務、および乙が法律もしくはこの契約に違反し、甲(家主)に与えた損害の賠償について、乙のため(乙と連帯して)、その支払を保証する」と決めておけばよいでしょう。
ところで、借家契約は、長期にわたることが多く、その期間中に保証人が死亡したり、その財産状態が悪化することもありえます。そこで、このような事態を予想し、もしそのようになったならば、代わりの保証人を立てるか、または別の保証人を追加して立てるということを約束させておけば、いっそう安全です。
保証人となった場合、どういう責任を負わされるかということは、はじめに述べたところでお分かりのことと思います。つまり、保証人の責任は、借家人のために、これに代わって金銭を支払うということに尽きるのであり、要するに、家賃などを支払うとか、借家人が約束を守らず、または義務を果たさなかったことによって、家主がこうむった損害を賠償するということです。借家人が契約に違反したときは、家主は、賃貸借契約を解除し、かつこれによってこうむった損害の賠償を請求することができるのですが、この場合にも、保証人は、借家人のために、賠償をする義務を負うことになります。そのさい、ふつうの保証人であるか、連帯保証人であるかによって、責任の問われ方が違うことも、前述のとおりです。
したがって、保証人となる契約をする場合に、まず注意しなければならないことは、借家契約の内容がどうなっているかということと、自分がふつうの保証人となるのか、もしくは連帯保証人になるのかということです。
そうして、借家契約が長期にわたることがあり、その間に借家人の資産状態が悪化したのに、家主が、滞納された家賃の催促を長期間怠ったため、それが巨額となり、思わぬ負債を負わされることもあります。それですから、このような場合には、責任を免れるよう約束しておくことも必要でしょう。借家契約は、存続期間が決めてあっても、更新されることが多いのです。それでは、借家契約が更新されたときは、保証人は、どうなるでしょうか。一般には、更新の場合には、従来の借家関係が、これに付随する法律関係をも含めて、そのまま更新後も存続するものであり、したがって、保証人も引き続き責任を負うといわれていますが、改めて保証人とさせるにこしたことはありません。

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