請負契約の解除

マイホーム建築を請け負った業者より、工事の途中で、資金不足による工事中止の申入れがありましたが、どうすればよいのでしょうか。
建築業者Bの工事中止の申入れは、建築工事請負契約の解除および清算にあります。その際、特に注意しなければならない要点は次のとおりです。
Bは、本件請負契約を合意によって解除することが目的ですから、その合意解除の法的意味が問題となります。その次は、既払い、未払いを合む請負代金およびそれと関係して工事の出来形部分ならびに検査済工事材料の所有権帰属の問題が重要です。最後に、損害賠償の問題ですが、これは、工事が他の業者に引き継がれ続行せられる限り、実際上重要な問題ではありません。すなわち、その場合の損害額は工期遅延によって生じた損害ということになります。例えばその遅延のため、注文者Aがホテルで生活せざるをえなくなった場合は、その期間相当のホテル料相当額がその損害額ということになります。ここでは、本件工事を他の業者に引き継ぎ続行させることを前提としますので、最後の問題にはふれないことにします。

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合意解除とは既存の契約を解消して契約がなかったと同一の状態をつくろうとする契約をいいます。そして、それは一方の当事者が契約を完全に履行しないとか、履行の困難な事情がある場合に、その当事者がなんらかの補償ないしは賠償をすることを条件に、その解決策としてなされるのが通常です。注意すべきことは、合意解除は一種の契約ですから、その効果は契約の内容によって決められ、民法の解除に関する規定はまったく適用がないということです。したがって、契約解除にともなう原状回復等の清算上の問題も、この合意解除の条件の内に入れて解決することが肝心です。
なお、本件請負契約上、Bに保証人がついていたら、その保証人も合意解除の当事者として一緒に解決しない限り、その合意解除から生ずる諸効果を保証人に追及できなくなるおそれがあります。本件の場合、その合意解除の条件として、本件の請負工事によって作られた未完成品である建築物および検査済工事材別をどのように処理するかがポイントになります。
請負代金について、一般家屋の建築などでは、数回分割の一部払いが特約されるのが常で、工事着手前にまず代金の三分の二棟上げの時さらに三分の二そして最後に引渡しの時に三分の一というように三回払い、あるいは四回払いがほぼ慣行化されています。本件の場合、AがBに仮にその三分の二程度を支払っていたとすると、その返還を請求できるかが問題となります。売買契約のような場合は、それが合意解除によって解消されれば売主は買主にその受け取った代金を返還するのは当然ですが、建設工事請負契約の場合は、その工事の出来形部分および検査済工事材料との関係で後述のような特殊な取扱いがなされています。
本件は工事の途中で建築工事が中止になったので、それまでの出来形部分および検査済工事材料をどうするかが問題となります。Aがマイホームの建築を他の業者に引き継がせる場合は、その部分を金銭で評価して買い取ることになりますが、その買受代金は前述の既払請負代金をもって充当することになります。そして、既払代金が買受代金を超過した場合にはその超過した金員の返還を求めることになります。ただし、工事出来形部分等の引渡しを受ける際、その所有権帰属を公示する必要があります。そうでないと、Bの一般債権者等が自己の債権を保全するため、工事出来形部分等をBの責任財産として差し押えてくるおそれがあります。その公示方法は、工事によって屋根および囲壁ができていれば、床や天井ができなくとも、建物といえますから、不動産登記法上に登記しておくことが大切です。逆にまだ建物とたっていない場合、および検査済工事材料は動産として取り扱われますからその引渡しの年月日を明確に定めておく必要があります。
このように所有権取得を公示しておけば、AはBの一般債権者等にその所有権取得を主張することができます。

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