住宅地の空間構成と土地利用

住宅地に与えられるイメージは時代により地域により多様に構成されるのですが、住宅地というもののイメージを具体的な形態をもって住宅地の計向過程で把握するのが空間構成です。空間構成とは、ある住宅地における具体的な物的住空間の組織方法なのです。住宅地における住生活の仕組みと将来への展開は、単に個々の住居の問題として解決するだけではなく、住宅地という広がりの中で機能する住生活全体をもって考える必要があります。つまり住宅地全体が示す住環境が個々の住生活に及ぶ地域の社会的、自然的条件を合理的にととのえて空間構成を設計していけるよう計画する技術が求められるのです。このためには、まず住宅地に来住すると想定される居住者個々の住生活に対する要求のうちから住宅地全体の構成に関する要求と考えられるものをとり出し、空間構成の問題として把握する必要があります。

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一般に家族を核とする日常の住生活は、それほど広域にわたるものではありません。主婦の日常的な購買施設への行動圏域は、徒歩で1km圏ぐらいです。子供たちの場合は、住居と学校をつなぐ広がりの範囲で行動します。幼児ならば、せいぜい500m圏ぐらいです。このような行動圏域の広がりは、利用施設の側から眺めれば、その施設のサービス圏域としてとらえられます。サービス圏域は施設の種類によって異なりますが、住宅からの交通手段すなわち徒歩によるか自動車によるかによっても異なってきます。徒歩による利用の場合には、ある限度が認められており、さらに非目常的な刊用施設について考えれば、通常その施設は日常的な広がりの外にあり、逆に施設のサービス圏域としてみればそれらは拡大されています。診療所や日常商品の店舗は日営的な範囲になければ不便であり、病院や奢移的商品の店舗は遠くにあってもそれほど不便ではありません。このような見方は、古くはG・フェダーによって、日中心、週中心、月中心の施設として考えられ、住宅地における施設の段階構成として提案されました。施設のもつ圏域は、たしかに空間構成の要素の一つではありますが、施設はその利用の仕方からみて、系をなして設置されていなければ十分ではありません。しかも、系の末端施設は、地域において点在しながら網をなしていなければ、必要なサービスが用意されているとはいえません。
購買、教育、医療など住生活に必要な諸施設のそれぞれについて、施設のサービス圏域内に住戸のかたまりが包まれることが必要です。住戸のかたまり方は、そのサービス圏内に低密に拡がったり高密に集中したりします。土地の単位面積当りの戸数は、土地の利用効率を示すことになります。さらに、一定の戸数密度であっても、住区に均一な密度を与えるような住宅の建て方もあり、またある部分に集中した高密住居を建てて残余の土地をオープンスペースとして残しておくといった場合もあります。低密な住宅地では1ha当り戸数20戸程度のものから、高密な住宅地では200戸から300戸に達するものまで計画されています。また、密度を決定しても土地利用の形態は多様となります。
住区は、全住宅地のなかでの計画上の位置によって、住宅ごとに密度を変えながらしかも全地域においては平均的な想定密度になるように構成することが多く、さらに、それぞれの住区における住宅計画を密度との関係で検討することができます。密度の計画は、住区の構成つまり土地利用計画の結果的表現であって、それ自体を独立的に立案しうるものではありません。住宅地の空間構成においては、例えば中心部に集中的な人口を与えるために高密な住区をつくり周辺部は低密な住区にするとか、全体にほぼ均質な密度を与えた住区をもって均一に住宅地の空間を造成するとかいったような計画が検討されます。住宅地の構成を決定する過程として、土地利用が考えられねばなりません。その構成にしたがって土地の利用目的を部分的に決定していく段階が、用途構成の計画ということになります。用途構成別にみれば、住区における土地利用も単純ではありません。例えば住宅用地といっても、専用住宅を中心にした用途構成もあり、複合的あるいは混合的な用途構成もあります。併用住宅による場合、建物の下層と上層とで建物の用途目的が異なるような立体的な用途構成も考えられます。用途構成と密度構成は、上下水道その他の供給処理設備の計画を規制します。
住区に対する提案、土地利用に関する提案では、住宅地の全体構成としてまとめられる場合、施設の利用形態や土地利用方法などから全体に対して集中的な中心を設ける単核的な構造と、各住区がむしろ適当な大きさで中心となるような多核的な構造の二つの方法が現在では出されています。
単核的な構造は、都心を離れたニュータウンにおいて、自動車利用に重点をおいた求心的な構成の計画です。単核的な構造で構成された場合、中心部は田園都市ではなくて国園の中の都市として発展が約束され、住宅地経営上の利点があると考えられています。一般に土地の利用は変化に富み、優れた住宅地を計画しうりますが、自動車利用による可能性と不経済性が問題とされます。一方てせ多核的な構造は、土地利用が均一で、多様な居住形態に対する適応性に欠け、施設の計画が実際に建設されないかぎり不合理な状況に変わりやすい点が経験されています。住宅地経営上は、経営主体の条件変化に応じて修正しやすいといった利点があります。住宅地の空間構成および土地利用の計画にあたっては、住生活の多様な側面が切りすてられやすく、むしろ、この側画をもって創造的な計画がすすめられなければなりません。

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