生活環境施設の配置

住宅地の計画において、生活環境の物的施設の配置計画はマスタープランの作成において盛り込まれるのが通常です。ところが、マスタープランによって実際の建設がはじめられると、住生活に必要な施設建物はいつまでも姿を現わさず、住宅のビルトアップのみが進行して、新しい居住者が施設の要求にのり出したときにはその用地すら取得困難な状況になっていることがあります。開発の企業者が公共事業体であれ民間であれ、事態にあまり差はありません。この現象は、都心から離れた郊外の場合はもちろんはなはだしいのですが、市街化された地域の内部がさらに建て混んで人口が稠密になった場合にも施設の容量が不足するといった型で現われます。生活環境施設とここでいうものは、例えば教育施設としての幼稚園、小学校、中学校など医療施設としての診療所、病院など、コミュニケーション施設としての集会所、公民館、図書館など購買施設としての各種小売店舗、金融機関、各種サービス業の窓口、娯楽的な企業などをすべて考えておきます。一般にはある住宅地における人口の予測によってこれらの諸施設の原単位は与えられ、人口の規模に応じて施設の量およぴ施設の働きの範囲を決めることができます。この決め方は、例えばコミュニティプランニングでは、住宅地の最小の利用単位を家族核に求めて、コミュニティというものを家族核の集合単位とし、これを近隣住区と想定します。そして、その住区のいくつかのグループに対して地区中心の核をつくるといった段階構成を組むのです。

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間取り

この近隣単位の考え方は古くから提案されていましたが、よく知られたものに、C・A・ペリーの考え方やG・フェダーまたはT・アダムスの考え方がありました。いずれも1930年代において欧米の新都市計画の提案の中で述べられたものです。これを受け入れた日本でも都市計画という技術分野で研究され、戦前においても戦後においても種々の提案が出されていました。建設省や日本住宅公団においても、計画基準がこのような点にそって作成されています。これらの考え方をみれば、近隣単位の核となる生活環境施設は、小学校、日常用品店舖、小公園などがあげられています。
近隣単位の核となる小学校は、通例の計画では人口8,000人から1万人に1校の規模で与えられていますが、このような規模の学校区が新設され校舎が建築された例は少ないのです。店舖は零細な資本によるものが多く、数の上では乱立しています。計画的な建設による店舖は必要と思われる量を下まわり、代わりに巨大な資本を擁するスーパーマーケットに独占を許しています。いずれにせよ、計画は単に模式的な提案の段階にとどめられているに過ぎません。学校施設、保育施設の不備は、住上活に決定的な不満をよびおこします。それらは、急激な人口増加に追いつけず、二部授業や三部授業さえも余儀なくされるからです。これらの現象は、実際には各方面にわたる行政機構と開発主体自身の機構に原因するものです。開発主体たる企業と行政庁がもっと組織的に密接に協議し公的な援助が増大すれば、かなりの問題は解決の方向に進むはずです。計画の側についてみれば、問題の調整に追われることが多く、模式的な計画を精密化するなかで住生活の要求にこたえていくといった点が欠けがちになるという状況があります。計画の段階から実際に建築にいたるまでのあいだ、計画者がずっとこれにつきあって行けないことが多く、したがって実施されてしまえば、経験は計画の問題にふたたびフィードバックされて次に生かされるという場合が少なかったのです。
根本的には、住環境に対する施策要求が叫ばれねばならないのですが、それにしても、現実において少しでも可能な解決を求める努力が計画のなかに見いだされてもよいと思われます。
第1に計画立案にあたって考慮されねばならない問題は、地域における人口の移住または住替えによる人口の各種の変動実態の把握です。もし人口が計画建設される集合住宅によってみたされていくのならば、人口変動に示される推定は細部にわたるものが可能となります。

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