生活環境施設の住宅他構成手法

イギリスにおけるフック・ニュータウン、日本における高蔵寺の住宅開発、筑波研究学園都市の開発などで試算が行なわれ、試算によって得られる将来の人口増加または滅少は、それに応じたきめ細かな施設の建設と運営を可能にし、ある時期における集中を分散させるような方法も考えられますが、住宅地における施設の全部が調整しうるわけではなく、各種の施設のうち民間の投資による施設で民間が経営していくもの、例えば商店、私立病院などは、むしろ集中した多量な利用者によって支えられ運営されています。したがって、人口の急増がある場合、施設は、その種類や経営方式によっては施設間で互いに矛盾した受けとり方をすることもあります。人口変動の試算は、単に量に対して計算されるものでは不十分で、施設ごとに利用者別に行なわれなければならなくなってきます。施設は人口の特定な現象に応じて計画されなければなりません。特別な現象で施設の既存利用経験をもってしては考えられないことも多く、むしろ施設の住生活に対する既存概念の変更が必要とされます。大阪千里ニュータウン計画では、このような視点を分析の結果からえて、独自なパターンが提案されました。小学校は低学年の1・2年生のみを扱い、この学校に幼稚園を加えた独自の施設を提案しました。この施設は住戸1,000戸からl,500戸を単位として設置し、この倍の単位に小学校の高学年対象校を設けようとしました。医療施設については、開業医のほかに、専門的診療科目を目的とする珍療所として協同したクリニックセンターを提案し、経営上の合理化と居住者の利便を調和させようとしました。このように、特殊ともみられる施設の設置が考えられました。問題は新提案による施設の設置が既存の施設の系列組織によって形成される制度上の障害に達着することです。小学校と幼稚園、診療所と病院は、制度上別個に管理されるものであって、中間的な性格を認めるにはいたっていませんでした。

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間取り

生活環境施設の配置は、住宅地構成手法によっても一様ではありません。イギリスのハロー・ニュータウンや大阪の千里ニュータウンは、新都市における住宅地でしかも近憐住区を段階的に構成するいわゆるコミュニティプランニングでまとめられています。この場合、施設の利用圏は段階的に形成されて考えられました。その圏域の大きさは、徒歩圏域をもって単位とされています。自家用自働車を想定に入れた住宅地は、アメリカによく見られるクラスタープランやワンセンタープランでまとめられ、これらの場合は強力な中心地区形成の必要から施設はセンターに集中します。都市の住宅と異なる農村の計画では、人口の密度が低いので、別途な提案が考えられねばなりません。
施設を利用する住民については、計画建設される住宅の入居者層を計画技術上はほぼ一様な階層と想定していたので、それゆえに施設の利用もほぽ一様とみなし、その利用に応じられるよう配置するという考え方です。居住者層が特徴的に分けられるようなときは、施設利用にもその区分が現われるので、ある利用者層に対しては十分なサービスと考えられなくなる場合もあります。この点に着目して施設をみれば、施設に対するサービス要求は居住者の生活に対するイメージの差異によって異なってくると考えられます。例えば自家用車を中心とした施設利用者層と徒歩による利用者層、共稼ぎの家庭とそうでない家庭の利用要求の差異や、夜間勤務者や断続的な労働の従事者など労働と家庭での休養の形態が一般と異なるものなどの場合です。従来の住宅地計画は、郊外の新開発地に移り住む中間階級などといわれているサラリーマン層がその居住者層として考えられていました。その場合、家庭を核とする家族中心の生活像はバラ色に描かれがちで、ハワードの田園都市生活のあこがれにも通じていました。そして、計画手法もまたこのような生活像を追求していたといえます。
多様な入居予定者層が考えられる場合、例えば生活に対するイメージを便宜的に下町地区と山の手地区という地区環境のイメージによって表現しようとした、下町地区とは施設の利用要求が集中サービスとして出される地区を性格づけ、一方の山の手地区は末瑞サービスが要求される地区として正確づけようというのです。この都市の構成は、しかも単核の構造です。ワンセンターに施設機能は集中し、自動車による交通が積極的にとり入れられました。しかし、ワンセンターだけで10万人に達する都市住宅地の規模全体がまかなえるわけではありません。周辺地区には、日常品の供給店舖や珍療所などが必要とされます。そこで住宅地区の性格の差と居住者の生活に対するイメージの差を重ね合わせて施設の配置を計画しようとしました。中心地区は多くの施設が集中するので高度なサービスを期待しうるし、居住者の側からすれば施設の選択利用や利用方式の特殊化の可能性があります。一方で周辺地区では日常的な需要を中心地区に頼ることができないので、住区のまとまりごとに小センターが設けられ、施設は家庭単位に結ばれて端末的なサービスが期待されるようになります。学校も中心地区より小規模なものとし、家庭との連携が保ちやすくなっています。医療も、開業医による家庭医が分配配置されて適宜利用しうります。このように集中サービス、端末サービスという施設利用の性格の異なる地区を想定して生活様式をイメージアップしていこうとするもので、住宅地の階層構成に応じてそれぞれ生活環境施設の配置をネットワークしてゆこうという試みなのです。

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